November 03, 2009

次回の爆問学問は

 次回のNHKの爆問学問(爆笑問題のニッポンの教養)は、国立国会図書館!

 長尾館長が、ご登場。

 書庫の中にも、爆笑問題の彼らが潜入するようです。まさか、成人雑誌のコーナーまで行かないでしょうね。

 一般人1「ちょっと、Falconさん、NHK、NHK。公共放送が、国立国会図書館の成人雑誌のコレクションまで踏み込むわけないでしょ!」

 わくわくしますね。

 一般人2「ちょっと、待った!国立国会図書館に成人雑誌なんて、置いているんですか?」

 ええ、納本制度がありますから、日本国内の出版物を収集しますよ。マンガ雑誌も、ヘアーヌードが載っているような雑誌だって、収集していますよ。書庫から請求したこと無いけど、閲覧可能です。業界新聞だって、業界雑誌だってあります。葬儀業界の雑誌や若い僧侶に向けた雑誌もあります。

 18歳以上なら入館できます。 

23:53:36 | falcon | comments(0) | TrackBacks

あれか、これか〜学校司書か、司書教諭か〜

 朝日新聞2009年11月3日朝刊の社説に

「ほとんどの学校には司書教諭がいるが、大半は学級担任などのかたわら担当している。ただでさえ忙しいのに図書館に十分な時間を割くのは困難だ。

 図書館の活用には専門の「学校司書」という職員が欠かせない。だが、学校司書のいる公立小中学校は4割に満たない。しかも8割は非常勤で時間の制約も大きい。」

 http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 とあった。

 「学校司書」は学校図書館法では定められていない。いわば、令外官(大袈裟かもしれない)、法律外の学校の非正規雇用の職員がほとんどである。一部の学校で、正規職員となっている。たとえば、東京都立高等学校では学校司書は正規職員である。
 文字・活字文化振興法第8条2項に「司書教諭及び学校図書館に関する業務を担当するその他の職員の充実等の人的体制の整備」とあり、しいていえば、「学校図書館に関する業務を担当するその他の職員」が学校司書に相当する。

 学校司書は、朝日新聞の社説よれば、「専門」の職員とある。しかし、学校司書には養成機関がないために、資格もなく、何をしたらよいかも分からず、雇用されている人もいる。よって、専門職ではない。ちなみに、司書資格は図書館法による公共図書館(公立図書館と私立図書館)の資格であり、学校図書館職員の資格ではない。

 社説によれば、「ほとんどの学校には司書教諭がいる」とあるが、これは明らかな間違いだ。文部科学省の調査によれば、平成20年度の司書教諭の発令状況は、小学校で61.2%、中学校で58.9%、高等学校で82.4%、特殊支援学校と中等教育学校を含めた全体での発令状況は63.0%である。63.0%を「ほとんどいる」と言えるだろうか。

 民主党政策集INDEX2009の文部科学によれば、学校図書館整備等で「文字・活字文化の振興を図るとともに、司書教諭が不足している現状にかんがみ、その充実に取り組みます。」とある。
 フランスのドキュマンタリスト教員のように、司書教諭の専任化を急に進めることは無理だろうが、全国の学校に司書教諭を配置して、少なくとも授業軽減措置を行い、他の教員とともに協働授業を行えるようにしてほしい。マニフェストに書かれたことは、来年の通常国会で法案化して上程してほしい。

 フランスのコレージュ(4年制の中学校)、リセ(高等学校)の学校図書館には、国家試験で資格を取得したドキュマンタリスト教員が配置されることになっている。ドキュマンタリスト教員なるには、学校図書館で432時間(週12時間・36週)の実習がある。日本の司書教諭には実習は無い。
 また、エデ・ドキュマンタリスト(ドキュマンタリスト補助職員)といわれる職員も配置される学校もある。日本の学校司書と違うのは、エデ・ドキュマンタリストにもドキュマンタリスト教員の資格取得の機会を与えていることだ。ドキュマンタリスト教員の国家試験で、公務員経験者の受験枠、民間職員の受験枠を設けている。日本では東京都立高等学校の学校司書の教員への切替選考試験が短期間実施された。

 学校司書の配置に反対しているわけではない。望むべくは、拙速に非正規職員の(無資格の)学校司書を配置するという愚策を取らず、養成の仕組みと採用の仕組みを整えてから、専任の学校司書を配置してほしい。今の状況まま、学校司書を配置すれば、雇用の不安定な(しかも能力の保証のない)職員を増大させるだけで、学校図書館の発展につながらない。

23:18:13 | falcon | comments(0) | TrackBacks

図書館情報学研究者と『人文対話』

 図書館情報学の研究者の中では、医学系の情報検索と研究者の動向を調査研究することが立派なことのように思われている。ついで、物理・化学など工学系の情報検索と研究者の動向を研究することが偉い!とランク付けされている。

 シャノンの情報伝達の理論、見えざる大学、ブラッドフォードの法則、ロトカの法則、ジップの法則、PubMedなどなど。

 一般人「ねえ、ねえ、そのブラッド・ピットの法則とか、何とかの法則って、何よ!?、何よ!?、面白そうねえ」

 ブラッドフォードの法則、ロトカの法則ですよ!

 まあ、そこで、図書館情報学の研究者を掴まえて、対話してみよう。

 Falcon「医学系の研究者って、PubMedや電子ジャーナルがあるから、図書館に来ませんよね」

 図書館情報学の研究者「そうですね、今は図書館の文献資料を渉猟する時代じゃありませんからね」

 F「それでは、人文系、社会系の研究者は、どうしているのですかね」

 研「人文系はデータベース、電子ジャーナルも充実していないし、観念とか、観点とかの話が多くて、実証的に研究できませんよ。経験的にわかることがあっても、私たちの手に負えることではないですね。」

 F「日本には国文学研究資料館のデータベースや青空文庫があるし、かなり充実していると思うけど。」

 研「でも、あちらは未だに紙ベースでしょ。」

 F「図書館情報学では、図書館のことを研究するんだから、図書館にやってくる研究者の動向を研究することが意味あると思うけど。医学系・工学系の研究者は、図書館から離れたんだし、医学系・工学系の研究者の情報探索行動なんて、もう研究されつくしているし、後付けしても、どうかなあ」

 研「医学系や工学系は、我々、人類にとって、役に立つ研究をしているんですよ。その研究者の動向を調査研究することは意味のあることです。人文系なんて、趣味の領域でしょう。」

 F「ええ、まあそうですけど。文化も大切だと思います。社会科学系の研究者の動向も、考えるべきだと思います。」

 研「あたしたちも、何でも研究しているわけでないから、今、実証的に言えることは、ここまでです。」

 F「けんもほろろに、言わなくても」

 研「学会発表で、忙しいの!ブログを書いているほど、暇じゃないのよ。じゃあね」

 やっぱり、研究者って、偉いんですね。返す言葉もありません。

 後述:
 「ランク付け」は極論としても、人文系の研究はお呼びでないという扱いを受けることが多い。
 しかしながら、人文系の欠点は実証的でなく、思い込みを主張として、少ないデータで、十分な分析も解釈も行わず、無理やり論証に導いてしまうことだ。これでは情緒的で、理解されないのも無理はない。たとえ少ないデータでも、論証を的確に導かないといけないと思う。

 反論のコメントを見ながら、図星を突かれた焦りが見えた。

14:47:58 | falcon | comments(0) | TrackBacks

「ノラ司書」に反響が

 司書の資格を取っても、早い時点で諦める人が多いから、「ノラ博士」よりも、「ノラ司書」は切実感が無いという冷めた感想を述べている人もいますが、「ノラ司書」の現実には多くの人が共感してもらえました。

 日本図書館協会の季刊誌『現代の図書館』47巻1号には、図書館で働く非正規職員の実情を克明に分析した論考が載っています。
 指定管理者、PFI、市場化テストなどNPMの新しい動向についても解説する論考が多いので参考になりました。

 「ノラ司書」の現実はあまりにも生々しいので、図書館情報学の正統な研究者の方は目をそむけるかもしれません。でも、図書館情報学の研究者を支えている、いや、生かしてやっている、食わしてやっているのは、図書館職員になりたい学生が保護者から出してもらっている授業料と、「ノラ司書」たちの図書館の正規職員で働きたいという切実な願いと、少ない給金から納められる講習費と会費なんです。

 なんだか、鳩山さんの街頭演説みたいになってきた。

 ノラ司書には、「研究者の情報探索行動」なんて、声高きおしゃべりにしか聞こえません。もう、データベースを使っている研究者は図書館に来ませんから。

12:37:35 | falcon | comments(0) | TrackBacks

深夜に、こんな本

 実は、買うほどではないが、気になっている本がある。

 先日、平家学会とゾンビ学会の話を書いたけれども、Falconは恐怖映画が大好きである。つまり、なんだかんだって言ったって、怖いもの見たさで、学会へ平気で出かけていき、恐怖映画のように楽しんでいる。

 その問題の本である。

 『ゾンビ映画大事典』

 詳しい書誌的事項は、国立国会図書館のNDL-OPACで検索してみてほしい。

 ゾンビ映画を見尽くしたというわけではないが、結構見ている。
 『ゾンビ』『死霊のはらわた』『ゾンゲリア』『バタリアン』など。ちょっと趣が異なるが、スティーヴン・キング原作の『ペット・セメタリー』なんかも、ゾンビ映画だろう。

 素朴な疑問
 「レファレンス資料になるくらい、ゾンビ映画の数はあるのか?」

 それがある。分類して研究できるほど、ゾンビ映画は多い。
 そして、低予算ながら、固定客がいるので、非常に凝った技術が使われていることがある。映像美としても、興味深い作品も多い。くだらない脚本も多いが、中には思弁的なメッセージを残す作品も少なくない。

 「血や臓物が出たり、暴力シーンが多くて、よく見ていられるね」

 それがジェットコースターと同じで、一回見て、恐怖と興奮度を味わってしまうと、癖になるんだよね。

 『13日の金曜日』シリーズも、毎回毎回、それなりに面白い。
 今はやりの3D技術が使われた回もあった、何回目だったかなあ。あれは面白かった。

 ゾンビ映画で3Dだったら、楽しそう。

 「わかった、わかった。君がホラー、スプラッタ・ムービーのファンだっていうことが。それなのに、なんで戦争は嫌いなの」

 ああ、議論が長くなりそう。もう寝るわ。休日だから、良いけど。


03:54:36 | falcon | comments(0) | TrackBacks