November 03, 2009

図書館情報学研究者と『人文対話』

 図書館情報学の研究者の中では、医学系の情報検索と研究者の動向を調査研究することが立派なことのように思われている。ついで、物理・化学など工学系の情報検索と研究者の動向を研究することが偉い!とランク付けされている。

 シャノンの情報伝達の理論、見えざる大学、ブラッドフォードの法則、ロトカの法則、ジップの法則、PubMedなどなど。

 一般人「ねえ、ねえ、そのブラッド・ピットの法則とか、何とかの法則って、何よ!?、何よ!?、面白そうねえ」

 ブラッドフォードの法則、ロトカの法則ですよ!

 まあ、そこで、図書館情報学の研究者を掴まえて、対話してみよう。

 Falcon「医学系の研究者って、PubMedや電子ジャーナルがあるから、図書館に来ませんよね」

 図書館情報学の研究者「そうですね、今は図書館の文献資料を渉猟する時代じゃありませんからね」

 F「それでは、人文系、社会系の研究者は、どうしているのですかね」

 研「人文系はデータベース、電子ジャーナルも充実していないし、観念とか、観点とかの話が多くて、実証的に研究できませんよ。経験的にわかることがあっても、私たちの手に負えることではないですね。」

 F「日本には国文学研究資料館のデータベースや青空文庫があるし、かなり充実していると思うけど。」

 研「でも、あちらは未だに紙ベースでしょ。」

 F「図書館情報学では、図書館のことを研究するんだから、図書館にやってくる研究者の動向を研究することが意味あると思うけど。医学系・工学系の研究者は、図書館から離れたんだし、医学系・工学系の研究者の情報探索行動なんて、もう研究されつくしているし、後付けしても、どうかなあ」

 研「医学系や工学系は、我々、人類にとって、役に立つ研究をしているんですよ。その研究者の動向を調査研究することは意味のあることです。人文系なんて、趣味の領域でしょう。」

 F「ええ、まあそうですけど。文化も大切だと思います。社会科学系の研究者の動向も、考えるべきだと思います。」

 研「あたしたちも、何でも研究しているわけでないから、今、実証的に言えることは、ここまでです。」

 F「けんもほろろに、言わなくても」

 研「学会発表で、忙しいの!ブログを書いているほど、暇じゃないのよ。じゃあね」

 やっぱり、研究者って、偉いんですね。返す言葉もありません。

 後述:
 「ランク付け」は極論としても、人文系の研究はお呼びでないという扱いを受けることが多い。
 しかしながら、人文系の欠点は実証的でなく、思い込みを主張として、少ないデータで、十分な分析も解釈も行わず、無理やり論証に導いてしまうことだ。これでは情緒的で、理解されないのも無理はない。たとえ少ないデータでも、論証を的確に導かないといけないと思う。

 反論のコメントを見ながら、図星を突かれた焦りが見えた。

Posted by falcon at 14:47:58 | from category: Main | TrackBacks
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