November 19, 2007

人の見分け方、情報の見分け方

 Falconは、しばしば海外旅行するが、街中で声を掛けられたら、大概は下心があって声を掛けてきていると思ったほうが良い。お店の呼び込みなら、害はないし、面白半分に聞いて楽しめる。パリで朝市へ行くと、日本人と見るや否や、米を勧めてくる。パリでは、米は野菜の一種で、野菜市場、八百屋で売っている。「長いお米riz long、丸いお米riz rond、シルヴプレ!」長い米も、丸い米も、日本人の耳には「リ・ロン」としてしか聞こえない。ここを聞き分けるのが、フランス語の達人の腕の見せどころである。日本の米、ジャポニカ米は、丸いriz rondである。フランスでは、米はほとんど作られていないが、スペイン、イタリアなどでは米が作られている。今あるか解からないけど、「イタニシキ」なんてブランド米があった。
 道を尋ねるときでも、素振りを見せただけで、近づいてきて、教えてやるよ!なんて口振りの人間は特に危険である。ホテルまで付きまとわれてしまう。むしろ、こちらのほうを見ないで道を行く人に、声を掛けたほうがいい。パリは国際都市なので、話しかける素振り程度では振り返ってもらえない。そのくらい人々は日常的に他人を警戒している。よくフランスの、特にパリの人は「冷たい」「気取っている」「お高くとまっている」と言われるけれども、トラブルに巻き込まれないために警戒しているだけに過ぎない。本当は親切で善良な人たちである。ただし、くれぐれも気をつけてほしいが、信頼できるのは、こちらから話し掛けた人に限りである。東京でも、同様のことが言える。Falconは東京生まれだから、道で人に理由もなく近づかれたら、身構える。パリで道を尋ねるときは、素振りや身振りでは怪しく思われるので、少なくとも(男の人なら)「ボンジュール、ムッシユ、トゥール・エッフェル(エッフェル塔)、シルヴプレ」ぐらいは言おう。パリなら、英語で十分通じる。
 以前は見向きもしてくれなかった人が、急に接近してくるときは警戒したほうが良いかもしれない。Falconは人柄が良さ気に見られがちで、事実、人が良いので、つい騙されそうになる。巧言令色で近づいてくるのは、絶対に怪しい。下心がある人間だ。ましてや、こちらが誘いもしないのにノコノコやってくる、強引に押しかけようとするのは、危ない。やはり、こちらから声を掛けた人間のほうが信頼が置ける。妙な売り込みは勘弁してほしい。
 人から依頼を受けたときも、タイミングが問題だけど、即答は避けたほうがいいと自戒する。そのほうが信頼が得られる。返事を長く延ばすのも迷惑なので、ある程度で見切りをつける。

 インタネットのウェブ情報は向こうから近づかないが、こちらが近づくような罠が仕掛けてある。それは、こちらの下心、すなわち欲望に根ざすものである。だから、こちら側が欲望を十分にコントロールできれば、ほとんど危険はない。興味をもつのはいいが、安心できる情報であるか、慎重に見極めたほうがいい。奇妙なメッセージが出てきたら、実に危ないので、気をつけよう。 [more...]

14:40:29 | falcon | comments(0) | TrackBacks

大学図書館の地域開放

 もう一言、書き込まないと眠れない。

 大学図書館の一般開放、地域開放がさかんになってきた。それは大学への入学者の減少が問題となっているので、大学の学長は大学図書館を「広告塔」にして、少しでもアピールしたい考えである。高校生、中学生に使ってもらって、是非、うちの大学へ入学してくださいと訴えたいのであろう。

 しかしながら、安易に地域開放することが良いことなのか、改めて考えてほしい。
 大学図書館は夜間開館しているところが少なくない。特に都市部の大学には多い。午後9時くらいまで、開館している。すると、地域の高校生や中学生が、中間試験、期末試験、入学試験の頃に、教科書持込でわんさかやってくる。ペットボトル、缶ジュース、飲み物、食べもの持込で散らかし放題、ケータイで話し込む、騒ぐ、果てには館内で鬼ごっこをはじめる、入口にたむろする、夜は危険なので、小学生を親が車で送り迎えするという惨状になる。信じられないことかもしれないが、本当に起こる。そこで、途端に入館を制限すれば、大学側に「勉強部屋が無い子供たちのことを考えろ!」「塾に行けない子供たちのことを考えてほしい!」との苦情が押し寄せる。

 はっきり言おう。これは地域開放した大学の責任問題ではない。
 そもそも、本来なら、学校図書館に行くべき子供たちを、大学図書館に押し付ける保護者と学校がおかしい。また、大学は地域開放する時に、地域との取り決めをしないで、入学者の増加を狙う下心で受け入れる迂闊な姿勢に問題がある。
 夜、図書館で勉強したい子供がいるなら、学校図書館を開館しておけばいい。といえば、学校図書館指導員、学校司書の方々の不平不満が滲み出た顔が思い浮かぶ。
 「冗談じゃない!、あたしたちにも生活があるんだよ、分かった面(ツラ)で、えらぶったこと言うんじゃねぇ」
 (Falcon)「ブログだから、面はみせてないけどなあ」
 「うるせい、さっさと失せろ」
 おー、こわっ。

03:11:04 | falcon | comments(0) | TrackBacks

改札を飛び越える若者たち、以前のパリの地下鉄の駅にて

 図書館の入退館システムについて書いてから、妙なことを思い出した。

 昔、Falconがフランスのパリに初めて行った頃、メトロ(地下鉄)の改札を、黒人の若者がまるでハードルのように飛び越えたので、腰が抜けるほど驚いた。掛け声よろしく、軽く拍手を通路に響かせると、音も立てずに軽がると改札を飛び越えた。鮮やか、お見事と呟くしかなかった。余りの瞬間で、悪事を責める気にもならなかった。
 今はパリのメトロの駅では、金属の衝立、あるいは厚い頑丈なガラスの衝立があり、切符を機械に差し込むと、自動的に開くか、手で押してで開くようになっているので、改札を飛び越えるなどという無謀なことはできない。

 日本人は、世界の民族(民族という用語は適切でないかもしれないが)の中で、比較的真面目で品位のある民族である。とはいえ、路上に平気でゴミを捨てる女子高生、おじさん、おばさんは見かけるし、電車やバスの中でのべつまくなしに大声でしゃべりつづける若者、オジサン、オバサンは日常茶飯事になったけれども、改札を飛び越えるなどという非常識は無い。ただ、最近、気になっているのが、改札で切符に不正があって、なんて言うのかな、つっかえ板(誰か、名称を教えてくれ!ツッコミでもいいから)が通せんぼしているのに、突き抜けてゆく人を見かける。
 最近、イギリスには行ってないので、よく解らないけど、フランス人は、日本人が羨むほど、お上品ではない。正確に言えば、国際都市パリは、文化的背景の異なるいろいろな民族がいて、社会への不平・不満が溜まっているから、柄の悪い、品の悪い輩がいても、それなりの事情があるのだろうと察する。

 で、図書館の話に戻ると、まさか図書館の入退館システムを飛び越える輩は、日本にはいないだろうし、フランスにもいないよねと思った。飛び越えたところで、図書館の利用は無料なのだから、怪我するほど無茶をするバカは間違ってもいないと思う。
 えっ、図書館を使う人は運動が苦手だって!、それは偏見です。「(学校)図書館で本を読んでいる子どもは、ジワーッとして気持ち悪い」と発言した江本孟紀・元議員と同じ発想でしょ。

 話はコロッと変わるけど、パリの地下鉄をメトロというけど、メトロという言葉自体に地下鉄の意味は無い。メトロはメトロポリタン、つまり「母なる町」、首都のことである。メトロが「母」で、ポリタンはポリスの派生語。フランスの首都パリの交通網だからである。パリのメトロは地上も走っている。バルベス・ロシュシュアール駅周辺やバスティーユ駅周辺では、地上を走っている。だから、「東京メトロ」は問題ないが、京都、大阪、札幌、福岡など地方都市の地下鉄は、メトロを名乗る理由は無い。ちなみにチュニジアの首都チュニスの路面電車は、メトロなのである。

02:20:44 | falcon | comments(0) | TrackBacks