September 07, 2006

謎の生物クマムシの全貌が明らかになる!

「へんないきもの」ファン待望の書物がついに刊行!



 Falconは、もう10年くらい前だと思いますが、新聞の
白黒写真で、いびつなアドバルンのような、ぬいぐるみのような、
生きものを見て、釘付けになりました。クマムシです。
何しろ、高熱も耐え、寒冷にも耐え、乾燥しても蘇える、
放射線にも強い不死身の生物で、しかも寿命が長いと
紹介されていたので、ビックリしました。
 その後、早川いくを著『へんないきもの』(バジリコ,2004)で
再会したときは、うれしく思いました。(『へんないきもの』は
生物学の啓蒙書としては良かったけど、クマムシについては
誤解が残った。)

 それ以来、どんな過酷な条件でも、本当に死ぬことはないのか?
ずーっと疑問でした。
 それをスッキリ解決してくれたのが、今回紹介した本です。
クマムシと言えども、死は等しく訪れます。それでも、並みの
生きものと違って、じっくり乾燥すれば、どんな環境でも
耐えることができるのが、クマムシです。写真やイラストを
見るかぎりでは、ゲジゲジやムカデ、ナマコよりかは、カワイイ。

 Falconが何よりも著者に感心したのは、最強のクマムシ伝説の
出典の文献をクマ無く探索して、究明しているところです。
クマムシの特徴である「クリプトビオシス」(乾眠)という
用語が、『岩波生物学辞典』に収録されていないことを
突くあたりは、天下の岩波書店から出版していながら、
真理を探究する著者の学者としての潔癖さに感服します。
専門書でありながら、文章は平明です。興味があれば、
小学校高学年でも読めるはずです。もちろん、中学生、
高校生には絶対オススメします。

 ちなみに日本十進分類法新訂9版では、
 483無脊椎動物 483.993 緩歩類
 になります。

Posted by falcon at 21:13:12 | from category: Main | TrackBacks
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