May 01, 2006

ちびくろサンボは今、

 先日、大学で「ちびくろサンボ」のことを取り上げたところ、
学生たちの関心が高く、興味深く聞いてもらえました。
 「ちびくろサンボ」をめぐっては、今でも数多くの関連書、研究書が
出版されています。
 今日(4月30日)、本屋で見つけた安藤健二著『封印作品の謎2』(太田出版)では、
藤子・F・不二雄作『ジャングル黒べえ』が“封印”されるきっかけとなった
「ちびくろサンボ」問題をかなり詳しく取り上げています。
こんなに根深い問題があったとは知りませんでした。

 安藤氏の前作『封印作品の謎』(太田出版)も、とても興味深く、
エキサイティングな内容です。
 図書館や読書とは関係なさそうなテーマですが、是非読み逃しなく!

 そういえば、Falconが幼少の頃、日曜日、たしか夜7時半に
カルピス劇場で放映されていた『ムーミン』が、再放送された時、
「貧乏な人」を表わす言葉を使った場面があって、キャラクターの
台詞を「口パク」(口がパクパク動いて、音消しに)していた
ことがあります。

 昔は『妖怪人間ベム』のような、今から思うと、放送コードに
引っかかる危険な表現ギリギリのアニメが放映されていた
のんびりした時代でした。

 その表現で心が傷つく人がいることを考えると、絶対使ってほしくないと
思います。Falconは、子どものころから、ちょっとだけ歩き癖があって、
「宇宙人!」など、今は思い出したくなくない言葉を浴びせられました。
言い返したかったし、口惜しかった。仕返ししたかった。
でも、本当のことだから、我慢するしかありませんでした。

 誰でも、子どものころは残酷だからね。
今は、時が経つとともに、許す気持ちになっています。それも、
大人になって、少しは社会に貢献できる立場に成れたからです。

 子どものころの経験を乗り越えて考えますが、「表現」「言葉」を
封印することが本当に良いことなのか、思いあぐねています。
 そういう表現を知っていて、場面場面で使い分ける配慮を持つことが

必要なのではないかと思います。使う「表現」や「言葉」が制限されて
いるので、今の子どもは「心」が育たない気がします。
 細やかな気持ちは、子どものころの残酷な「言葉」のやり取りで
生まれる気がしています。生きることの大切さを実感できるのは、
残念なことに、死の恐ろしさや惨めさ、虚しさに直面した時ですね。
 理想は、学校の先生や保護者が子どもたちの行動を見守りながら、
その残酷さが行過ぎないようにして、言葉の使い方を教えられるのが
良いと思っています。

 インターネットのフィルタリングも、同様で、有害情報の見極めが
ない状況で、規制する必要があるのかと思います。「有害情報」を
見た時の対応として、その情報に子どもたちが巻き込まれないように
するのが、教師の役割でしょう。
Posted by falcon at 01:24:21 | from category: Main | TrackBacks
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