November 07, 2005

日本の子どもの読解力

 昨年12月、2003年PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で、
日本の子どもたちの読解力が落ちたと報道されて、
大きな話題になりました。
日本の子どもの読解力は、2000年度8位(上位グループ)から
2003年は14位にランクが下がりました。
 報道では、まるで日本の子どもの読解力が地に落ちたかの
騒ぎようで、「最近の子どもは本当に読書をしていない」と
ぼやく大人も少なくありません。
 知的な人たち、あるいは政治家たちが崇敬してやまない
アメリカの子どもたちの読解力はもっと下のランク
40カ国中18位です。2003年の統計にはイギリスは入って
いません。比べてはいけないと、お叱りを受けそうですが、
アメリカよりも順位が下がったら、私は騒いでもいいと思って
います。

 統計というのは、調査方法などを冷静に見極めて結果を
熟考する必要があります。

 最近は「朝の読書の時間」があちこちの学校で実践された
おかげで、中学生の不読者が減っているといわれています。
「読書ばなれ」の根拠となっている統計は、5月の1ヶ月間に
1冊も読まなかった子どもの数です。中学生、高校生になると、
1ヶ月に読み終わらない長編小説を読んでいる子もいますから、
そうした子どもの数は表れません。

 PISAでは上位ランクのフィンランドの教育に関心が集まって
いますが、フィンランドの教育を図解で解説した図書が
出版されました。
北川達夫ほか著「図解フィンランド・メソッド入門」(経済界)



 ヨーロッパのほかの国でも類似の実践があります。
 それなのに、なぜフィンランドが上位になるのか、もう少し
分析がほしいところですね。
 フィンランドは、携帯電話で有名な企業「ノキア」があり、
ヨーロッパでは有数のIT大国です。
 図書館がどこまで影響しているのか、
私としては興味があります。
 上位の秘密は、たくさんありそうです。
Posted by falcon at 14:54:49 | from category: Main | TrackBacks
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