March 21, 2015
パリのSalon du livreで高校生が選ぶ文学賞が発表!
3月20日パリでSalon du livre(国際書籍市、要するにブックフェア)が開催された。午前中、パリ近郊のイール・ド・フランス地域圏(要するに首都圏)の高校生たちが選ぶ文学賞が発表された。
「高校生が選ぶゴンクール賞とは違うの?」
それがどうも違うようだ、こちらはフランスのテレビ局が後援している。高校生が選ぶゴンクール賞はFNACっていう電子機器の量販と書籍の大型チェーン店が後援している。
全部で8校の高校生たちが選んだ作品で2014年から2015年に刊行されたものが対象だ。
授賞式には高校生たちと指導に当たった先生が受賞作品を発表して、作家が壇上に上がって感想を述べて、高校生たちが受賞理由と指導に当たった先生に感謝するというもの。
辻由美さんの≪読書教育≫で高校生ゴンクール賞は知られるようになったが、フランスでは作家と高校生たちが触れ合うチャンスが多い気がする。
Salon du livreは13年前に1度来たことがある。そのころに比べると規模が大きくなって進化したと思う。日本でSalon du livreに来た経験のある人は自慢げに「あんなものは大したことない」などと語ったりするが、随分と進化した気がする。
とにかくSalon du livreでは作家のサイン会が多い。作家と触れ合うチャンスが多い。日本のコミケに近い。
日本の作家は深窓の麗人のように、滅多に現れない。テレビに出すぎると「本業に専念したほうがいい」と非難されることがある。「下々の者とは口をききません」とお高くとまっていると誤解されても仕方ない。
それに比べて、フランスの作家たちは売り込みに必死だ。地方都市の出版社も参加して、作家たちを引き連れて、Salon du livreでブースを設けている。文章だけで読者をひきつけるというのは、厳しい時代なのかもしれない。
無論、フランスでも読書離れが進んでいるし、今回のSalon du livreでも、書籍の電子化、BD(バンドデシネ、フランスの漫画)のデジタル化とビジネスチャンスを問題にするシンポジウムが行われている。
苦言を呈して申し訳ないが、日本のブックフェア、図書館総合展は、最近ちょっと迫力が足らないなあと感じることが多い。
「えっ、どこが」
うーん、何となくね。
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