December 11, 2014

フランスで図書館職員になる

 洋の東西を問わず、図書館職員に憧れを抱く人は少なくない。

 フランスで Etre bibliothecaire (このブログでは、アクサンが表せない。Etreというフランス語のbe動詞に当たる語の最初のEにアクサン・シルコンフレクスという山形のアクサン記号が付くし、bibliothecaireのtheのeにアクサン・テギュという右上がりのアクサン記号が付く)というタイトルの本が今年の9月に刊行された。出版社は、今年IFLAが開催されたリヨンにある。IFLAで紹介されていれば、即、購入したはずである。

 フランス語の文章は比較的やさしい。初級文法でかなり理解できる。写真が豊富でフランスの図書館に行った気分になる。

 図書館職員になりたい人は多いだろうけど、利用者には見えていないさまざまな仕事があることを紹介している。つまり、甘い幻想を抱くな!ということで、地味でかなり大変な仕事があることを述べて、読者に釘を刺している。現場の図書館職員が書いただけあって、なかなか鋭い叙述が続く。日本でも図書館職員になるのは至難の業だが、フランスでも同じ。大学レベルの養成課程では、アシスタント・ライブラリアン、要するに司書補にしかなれない。大学院レベルの養成課程で司書になれる。それでも、やすやすと仕事に就くことはない。失業率が日本よりも高いフランスで、本に囲まれた図書館職員生活など、簡単にありつけるはずがない。

 図書館職員になるための情報だけでなく、フランスの図書館事情がわかって、非常に興味深い本だ。

 日本の「なるには」ブックスのフランス版の1冊。このシリーズには消防士、書店員など様々な職業を紹介したものがある。フランスの書店員が興味深い。

Posted by falcon at 22:42:21 | from category: Main | TrackBacks
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