October 16, 2013

あっ、かわいい!



 「岩波科学ライブラリー」の(生きもの)シリーズの最新刊です。このシリーズ、『クマムシ』『ハダカデバネズミ』『フジツボ』『ザリガニ』『ヒドラ』(←クラゲのこと)『シロアリ』とキワモノぞろいでしたね。Falconは大好きな生き物ばかりでしたが、人によっては観るのも嫌!と思うかもしれません。スズメは誰も嫌がらないでしょう。少なくとも見た目だけは。(農家の大敵だから、頭にくる!怒り心頭!の人がいても当然)

 読みました。
 日本のスズメって、なんて可愛らしいのでしょう。
 すぐ近くにいて、餌をあさっていると思うから、しげしげと観察しませんけど、よく見ると羽根の模様に気品があり、以前、新聞で「野原の貴婦人」とたたえていたのを思い出します。
 ちなみにヨーロッパでスズメと言われているイエスズメは、あまりかわいくない。ずうずうしくて、生意気な感じがする。日本のスズメのほうが、おどおどしながら、おどける仕草がカワイイ。

 この本の中にも、食べてしまいたくなるような、可愛らしい仕草のスズメたちが登場します。実際にかつて日本では、スズメを食べていたとか、また、地方によってはスズメを食べているそうです。Falconにとってスズメを食べるのは、罪深きものを感じます。

 著者が古事記、枕草子の時代からスズメが日本人になじみ深い鳥だったことを紹介しています。古事記にスズメの記述があって、万葉集にスズメが登場しないというのも興味深い。
 ここで残念だったのが、おそらく日本の古典文学作品の中で、最も有名なスズメの登場シーンが無いことです。

 「源氏物語の若紫巻!」

 ピンポン!「すずめの子をいぬきがにがしつる」

 「でもさ、若紫(のちの紫の上)が言っていることで、スズメが登場して描かれていることじゃないんだよね」

 ん、まあ、そうなんですけど。

 この本の圧巻の場面は、日本でスズメが減少しているということを実際の観察と資料から推論しているところです。
 原因を断定せず、思い込みを避けて、慎重に論じています。科学者らしい考え方です。
 それに引き換え、先日、図書館情報学の学会に行ったのですが、一応、統計とか、研究の手法を忠実に行っているものの、あまり科学的と思えませんでした。図書館情報学って、一部の研究者たちが勝手に名乗っているだけだなあと思っています。

 とにかく、かわいいスズメを求めて、秋の日、そぞろ歩いてみたいなあと思いました。う〜ん、スズメは確かに少なくなった気がする。

Posted by falcon at 12:49:20 | from category: Main | TrackBacks
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