November 19, 2012

いとわしき者たちと、いとしき者たちへ

 『どうかお静かに:公立図書館ウラ話』をまだ読んでいます。

 図書館のことをよくわかっている人が書いているなあと、感心しています。同業者同士で褒めあっても、しょうがないけど。

 作者のスコット・ダグラス氏は、一部の利用者のことを嫌いだと、ぼやき、こきおろしていますが、心の底では彼らのことを許して、温かく見守っています。「いとわしい」と思いつつも、「いとおしい」と思っている、そんな心情に共感してしまいます。たった1字で、思いが裏表です。

 それから、同僚たちの欠点をあげつらっていますが、尊敬する点はちゃんと褒めています。「ブレンダ」さん、「パム」さんたちが等身大に描かれているので、実感が伝わってきます。

 メルヴィル・デューイを目録システムの大成者と書いていますが、分類システムの大成者ですね。作者の思い違いでしょうか、訳者の訳し間違いでしょうか。

 図書館サービス論として、利用者の姿を描いている点は、参考書としたいと思います。図書館学、司書課程の教科書には、ここまで細やかに描かれていない。

 しかしながら、アメリカの公立図書館って、インターネットとコンピュータの使用は、かなりいい加減なんですね。日本の図書館では、絶対あり得ません。これは、どんなことあっても、マネできません。


Posted by falcon at 23:06:17 | from category: Main | TrackBacks
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