July 07, 2012

前向きに授業評価アンケートを考える

 授業評価アンケートを、「とにかく廃止してほしい!」と叫びましたが、いまさら後戻りはできないでしょう。ダム建設とか、河口堰とか、無駄な公共事業のように、急には廃止できないと思います。
 おそらく担当している大学の先生たちも、授業アンケートに問題があることを認めながら、廃止すれば、文部科学省、大学基準協会などの評価機関に顔向けができないから、仕方なしに続けるしかないと思っていることでしょう。

 ここで譲歩しないのも、大人の態度ではありません。

 授業評価アンケートを廃止しろ!とまでは、言いません。

 学生ども、いや、学生たちの不平・不満のはけ口、言わば、「ガス抜き」になっているわけですし、大学がコントロールできない2チャンネル、掲示板、ツイッターなどに書き込まれて、大学の評判を落とすよりも、学生たちに授業評価アンケートで思う存分、罵詈雑言を書き込んでもらって、ネットに書き込ませないほうが良いのかもしれません。

 これは、非行や不純異性交遊を防ぐために、部活動に熱中させて、中学生・高校生を学校に放課後、閉じ込めていたことに、よく似ています。
 でも、中学生・高校生を学校に閉じ込めた結果、何が起こったか。もう、お分かりですよね。子どもたちのエネルギーは内に籠り、核分裂をおこし、臨界に達して、校内暴力、さらには陰湿なイジメを引き起こし、不登校、自殺する児童・生徒を増やす結果になりました。考えれば、すべての生徒に部活動を強要することは無かったのです。放課後はもっと自由な時間を子どもたちに与えるべきでした。まっ、放課後、自由な時間があれば、子どもたちは読書もするし、学校図書館・公共図書館を利用してくれます。

 授業評価アンケートは、ネットに書き込まれるはずの学生たちの不平・不満をひきこんだことに問題があります。

 そこで、これが最良の改善策になるか、自信がありませんが、授業評価アンケートの結果を公表するべきだと思います。
 学生たちの実に幼稚な、自分勝手な、ネガティブなコメントまで公表する必要はありません。
 Falconが求めているのは、学生が授業を肯定的にとらえた割合を公表してもらいたいのです。

 ちなみに大学は授業評価アンケートの実施率を公表していますし、教授会で実施率を示して、授業評価アンケートをしていない教員を、学生の立場に立って、言い過ぎかもしれませんが「悪人」「罪人」扱いして、責め立て、脅し、苦しめます。

 ところが、アンケートの項目を公表して、実施率とともに、改善率、あるいは評価の高い授業の割合を公表している大学は、皆無です。

 現状では、アンケートの結果は、それぞれの教員に知らされて、「評価が悪かったら改善しなさい」と示唆されるだけです。

 これでは、ちっとも改善できないし、教員が抱えている問題を解決する手段も与えてくれません。

 提案です。
 まず、大学が行っているアンケート内容はすべて公開する。こうすれば、アンケート項目に問題があれば、多くの指摘を受けて、アンケート項目を「改善」できます。
 それにしても、先ほど述べた大学のアンケート項目では、みっともなくて、みすぼらしくて、ネットで公開できませんね。

 第2に、改善率、あるいは大学全体の評価の高い授業の割合を、学内だけでなく、学外、つまり、ネットや広報、受験案内に公表する。
 授業評価アンケートの個別の結果を教員だけに知らせて、何の効果を期待しているのでしょうか。これでは陰湿なイジメです。大学の教員が、うつ病になり、自殺を図る人もいるのも無理ありません。
 改善率、評価の高い授業の割合を公表することは、受験生獲得のための重要なファクターになります。受験生は、もうすでに大学のネームヴァリューで受験することは少なくなっています。それよりも、大学で質の高い授業を受けられるかが重要です。

 いままで何故、評価の高い授業の割合を大学は公表してこなかったのでしょうか。
 理由は、考えられます。「評価の高い授業の割合」を公表するとなると、大学によっては、受験生獲得のために作為を行って偽りの情報を流す可能性があるからです。生々しい、凄絶なアンケート結果は間違っても公表できませんからね。

 しかし、学生と教員の負担を踏みしめて行ったアンケートですから、当然、学内外に公表するべきです。

 それができないのであれば、アンケートの実施の意味は全くなく、廃止するべきです。

 ここで一言、言わせてください。ネットの影響力を信じて、発言します。
 来年、大学受験を控えている皆さん、授業評価アンケートの項目と改善率、評価の高い授業の割合を公表している大学を受験しましょう。

 さきほど、授業評価アンケートが重大な人権侵害につながると指摘したのは、大学によってはシラバスをネットに公開して、前年度の授業評価アンケートの結果を書き込み、それについての教員のコメントを書かせることをさせているからです。
 これは、間違いなく人権侵害です。

 もしアンケートの結果が好ましくなければ、教員に謝罪文を書かせているのです。
 それもアンケートの項目が標準的で、論理的な矛盾もないならば、許されますが、アンケートの項目も公表されず、結果だけ晒しものにされて、人前というか、「ネット前」で見せしめに「謝れ!」と言われるのは、人権侵害も著しい。学生の意見が客観的ならば良いですが、ほとんどが主観的で、嫌々、授業に臨んでいる学生の否定的な意見だけが目立つのであれば、公平性に欠くものです。
Posted by falcon at 23:47:08 | from category: Main | TrackBacks
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