July 07, 2012
授業アンケートに重大な問題が!
授業アンケートしています。非常勤先でも渋々、授業アンケートをやりました。
わかってきたことがあります。つまり、判明したことがあります。
大学ごとに授業アンケートが異なりますが、授業アンケートに重大な問題があります。
授業を肯定的に評価する項目と否定的に評価する項目が混在しているので、学生がどう答えたらよいのか、戸惑うのです。
・教員は意欲的に講義に取り組んでいますか
という肯定的な意味合いの質問の後に
・教員は学生の人格を傷つける発言をしませんでしたか
という否定的な意味合いの質問が続き、
・大変そう思う
・そう思う
・あまりそう思わない
・そう思わない
という同じ選択肢で回答するようになっています。
注意深く答えないと、惰性で「大変そう思う」にマークしてしまうと、「教員は意欲的に講義に取り組むが、学生の人格を傷つける発言をしている」ということになります。
それから、「〜しませんでしたか」という否定疑問は、アンケートで用いるのは、適切ではありません。よくよく考えると、どのように答えたらいいのか、理解できません。
日本語と、英語・フランス語などの欧米言語の否定疑問の答え方が異なるのはよく知られています。
「〜しませんでしたか」という問いに、日本語では行為者がしていなければ、「はい」です。英語で、Didn't he do it? という質問で、行為者がしていれば、Yesですし、行為者がしていなければ、Noです。
これはアンケートの「いろは」もわかっていない、最悪のアンケートです。
要するに最高学府である大学で、まともなアンケートが作成できないのに、授業アンケートを実施しているのは、重大な問題です。
授業アンケートをさせられている教員が、アンケートの内容にコメントできないのは、不公平であり、もっといえば、重大な人権侵害です。
私のことだけ考えれば、こんな最悪のアンケートの結果に悩まされる必要はなかったのです。
否定的な意味合いの質問があると、コメントに罵詈雑言が書き込まれる可能性があります。質問が、不平・不満を誘導するのです。「講義は開始時間、終了時間は適切でしたか」という質問があれば、1回でも教員が遅れて授業を開始したり、1分でも講義を伸ばすだけで、「毎回、授業が遅れて、講義を引き延ばした」と書き込まれます。ちなみに、Falconは12時10分終了の講義で、出席を取るのが遅れて1分30秒延びたことが2回あります。それ以外は、12時前に終えてしまい、むしろ「授業時間が短い」とコメントされないか、冷や冷やしたくらいです。
大学の「講義時間が遅れる」ということについて、小学校、中学校、高等学校の先生から見て、「甘い」と思うかもしれませんが、
大学は広く、研究室・講師室から教室まで、最大5分離れている場合があります。職員室から教室へ行くのとは、わけが違います。講義が連続している場合は、準備などに戸惑い10分以上も遅れます。資料を印刷する場合、印刷機の台数が少なく、休み時間に間に合いません。教育環境が整っていません。
学生は自分たちが遅刻するのを棚に上げて、教員の上げ足を取ることに血道を上げるのです。
本務校では、アンケートの質問の内容を肯定的な意味合いにしてほしいと要求して変えてもらったところ、コメントに罵詈雑言と言わないまでも、Falconの身体的特徴を「きもい」や揶揄するようなコメントが書き込まれなくなりました。客観的なコメントが増えました。
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