August 14, 2010

夏の浜辺で読書する

 先日、東京の屋外プールのプールサイドで読書している外国人の青年を見かけました。プールサードで読書をしているのは別に珍しいことではありませんが、びっくりしたのは、その本の裏表紙に公立図書館のバーコード・ラベルが貼ってありました。ペーパーバックの洋書でした。
 ええ、濡らさないで返してくれるならば、問題ありませんが、もし濡れてしまったら、困りますよね。公共財ですよ!
 たぶん、「日本の公共図書館の本だから、別に濡れてもいいや」という気安さがあるのでしょうね。アメリカ、イギリス、フランスならば、いかに公共図書館の本であっても、汚損・破損して返却があった場合、罰金を徴収されます。日本でも、明白な場合は罰金を徴収することがあるかもしれませんが、たぶん利用者に言い訳されて、図書館が泣き寝入りすることになるでしょう。ましてや、カウンターに責任を取れない臨時職員が配置されていれば、利用者がつけ上がり、ますます図書館側が弱い立場になります。カウンターの仕事を甘く見てほしくありませんね。図書館の最前線なんですからね。

 さて、沖縄のビーチで、以前途中で中断したウィリアム・ゴールディング著『蝿の王』(新潮文庫など)を最初から読み始めました。
 世界最終戦争が起きた後の近未来小説です。戦争から逃れるために少年たちを乗せた飛行機がイギリスを飛び立ちますが、無人島に不時着します。規則をつくり、少年たちだけで平和に暮らすはずが、おぞましい現実が迫ってきます。人間の原罪にも似た本性に問いかける作品です。
 中学生、高校生に読んでもらいたい。夏の終戦記念日、お盆の時期だからこそ、読んでもらいたいと思います。小学校高学年でも十分に読めます。表現はやさしいのですが、じわじわと迫る緊迫感が何とも言えません。
 少年が島に漂着する話なら、マイケル・モーパーゴ著『ケンスケの王国』がお勧めです。戦争を見つめる目を養ってほしい。

 ええ、もちろん、Falconは自分で買った文庫本で読んでいます。集英社文庫です。図書館で借りた本はプールや浜辺で読まないでください。お願いします。

 沖縄国際大学にヘリコプターが墜落して6年目です。
 戦争と隣り合わせになったことが無い人は、面白おかしく賛美するかもしれませんが、戦争は断固、反対です。

Posted by falcon at 23:29:18 | from category: Main | TrackBacks
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