March 13, 2010

ぶら鎌倉

 そういえば、NHKの番組『ブラタモリ』終わってしましましたね。良い企画だったのに。『タモリ倶楽部』をパクった感じでしたけど、NHKらしく、資料やCGを駆使して、興味深く仕上げていましたよね。Falconは東京生まれの東京育ちですから、興味持てたけど、地方の人にはつまらなかったかもしれません。

 さて、今、鎌倉の本を読み続けています。仕事はあるんだけれども、本を読んでいないと言葉が思い浮かばなくなってしまいます。そんな時は、興味のある本を読んで、言語感覚を刺激しないといけません。

 松尾剛次著『中世の鎌倉を歩く』(中公新書)

 河野真知郎著『中世都市鎌倉:遺跡が語る武士の都』(講談社学術文庫)(こちらは絶版らしく、書店では入手できない)

 鎌倉は鎌倉時代だけで町が寂れたわけではなく、その後も南北朝時代、室町時代、戦国の世を経て、江戸時代初期まで、武士の都として機能していたことがわかります。室町幕府を支える重要な拠点でした。
 明治になると東京の避暑地として知られるようになります。
 夏目漱石の『門』は、北鎌倉の円覚寺で漱石が座禅をした経験が基づいていますし、『彼岸過迄』では須永が洋行帰りの青年・高木に出会うのも鎌倉でしたし、『こころ』でも「わたし」と「先生」が出会うのが鎌倉でした。最近読んだ青木宏一郎著『軍国昭和東京庶民の楽しみ』(中央公論新社)には、夏になると、東京の人々が鎌倉へ海水浴へ行ったことが書かれていました。

 今の観光都市・鎌倉で目につく建物のほとんどが江戸時代以降に建てられたもので、鎌倉時代の遺構は地下に埋まっています。地下に埋まった鎌倉を再現して、知る楽しみを与えてくれるのが、『中世都市鎌倉』(講談社学術文庫)です。鎌倉時代に鎌倉で生活していた人の姿が生き生きと蘇ってきます。

 先日、鎌倉の鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れたのをニュースで知り、ショックを受けました。実はFalconが中学生時代、暇を見つけては鎌倉を歩きました。東京から近い、歴史を感じられる町は鎌倉です。樹齢1000年とも言われていましたから、鎌倉時代からあったのでしょう。源実朝を暗殺した公暁が隠れていたというのは伝説でしょうけど、あの銀杏の木には趣深いものがありました。
 母にかかる枕詞「の」のたらちねは、銀杏が成熟してくると、つまり老木になると、幹のところから滴がたれるようになってくるのを指すようです。遠足の時、ガイドさんが説明してくれたのを思い出します。懐かしいですね。

Posted by falcon at 11:42:33 | from category: Main | TrackBacks
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