November 10, 2009

女帝君臨

 橋本治氏の『日本の女帝の物語』を読んでいる。
 Falconは、今5冊ぐらいを移り気に輻輳しながら読んでいる。
 その一冊だ。



 飛鳥時代から奈良時代にあらわれた女性天皇について書かれている。日本古代史にかなり知識がないと理解できないが、橋本治氏の軽快な語り口で古代の天皇家の複雑な人間関係があれよあれよと明らかにされて、楽しく読める。その語り口は「男のおばさん」なんだよね。
 それにしても、橋本治氏はいろいろなことに興味を持って、とことん調べている。

 これから、読もうと思っているのが、中国で唯一、女帝になった則天武后の話だ。



 実は、この歴史小説、フランス在住の中国人女性が書いたもの。フランス語で書かれているので、日本十進分類法ではフランス文学になる。図書の分類のひっかけ問題に最適なんだ。

 日本の推古天皇のほうが、則天武后よりも即位したのが約100年早い。則天武后が即位したのは、持統天皇が即位した年だ。持統天皇は、夫の天武天皇が崩御したのち、息子の草壁皇子の後ろ盾として、事実上の実権を握る称制を行っていた。草壁皇子が薨去の後、天皇に即位する。則天武后とほぼ同時に即位するのは、因果関係がありそうで面白い。

 日本には江戸時代に2人の女性天皇がいた。
 古代の女性天皇に比べると、あまり注目が集まらないが、実は興味深い。明正天皇と後桜町天皇だ。

Posted by falcon at 01:16:00 | from category: Main | TrackBacks
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