October 13, 2009

モザイク画の町ラヴェンナの図書館

 ラウレンツィアーナ図書館を後にして、ラヴェンナへ向かいました。フィレンツェからボローニアへ行き、そこからラヴェンナへ。
 ラヴェンナに着いたときは、小雨が降り、空気がしっとりしていました。これまで、ずうっと炎暑で乾いていたので、湿気で心まで潤うようでした。

 ラヴェンナは静かで落ち着いて、こじんまりした町です。
 ホテルに荷物を置いて、さっそく街を歩きました。
 観光案内所へ行くと、サン・ヴィターレ教会は19時まで開館していると教えてくれました。
 サン・ヴィターレ教会は東ローマ(ビザンチン)帝国の皇帝ユスティアヌス帝と皇后テオドラと廷臣たちのモザイク画があることで有名です。拝観料を払って、教会内に入ると黄金の輝きに満ちたモザイク画を目の当たりにすると時間が過ぎるのさえ忘れます。帝都コンスタンチノープルで民衆によるニカの反乱が起きた時、帝衣を脱ぎ捨て宮殿を逃げ出そうとした皇帝を止めて、「帝衣も死装束になりましょうぞ」と皇后が言い放ったというエピソードを彷彿とさせます。今回の旅の中で最も感動した瞬間でした。
 ラヴェンナの町にはガッラ・プラチーディアの廟、ネオニアーノ洗礼堂、アリアーニ洗礼堂、サンタポッリタナーレ・ヌオーヴォ聖堂など見どころがたくさんあります。その割に町が小さいので、1日あれば、たっぷり観ることができます。町全体が巨大な博物館です。ネオニアーノ洗礼堂では割礼式に遭遇しました。洗礼堂でゆっくり見ていると、神父さんと赤ちゃんを抱いた女の人が家族や親族を伴ってぞろぞろ入ってきました。神父さんがイタリア語で唱えて、讃美歌をみんなで合唱はじめました。厳かに赤ちゃんの割礼が済みました。アリアーニ洗礼堂は拝観料は要りません。駅から町の広場まで行く途中にありますので、見のがさないようにしましょう。小さい堂内ですが、そのモザイク画は見ごたえがあります。
 
 一泊した翌朝、サンタポッリタナーレ・イン・クラッセ聖堂へ行きました。この聖堂は中心街からかなり離れていますので、バスで行きました。ここの聖堂のモザイク画も迫力があります。
 町に戻り、テオドリック王の霊廟まで歩き、サンタポッリタナーレ・ヌオーヴォ聖堂を見に行きましたが、その前にテオドリック帝の宮殿跡を見学しました。ここは入場料は要りませんが、ゴート王国時代のモザイク画が観られます。黄金の輝きはありませんが、興味深いものがあります。

 ラヴェンナの町には、『神曲』を書いたダンテの墓があります。墓は小さな古墳、土饅頭みたいです。墓の横にはダンテの廟があります。小さな灯が途切れなく燈されています。

 ダンテの墓のそばには図書館が2館あります。一つは小さな歴史資料を集めた図書館です。ここは資料のほとんどが金網のはまった書架の中にあります。閲覧室は地元の若者が勉強と読書に使っています。
 ダンテの墓からカドゥーティ広場を挟んで反対側の道を行くと、ラヴェンナ市立クラッセンセ図書館があります。この図書館は歴史のある図書館で、建物は18世紀のものです。地上階は市の公共図書館として使われていますが、最上階には研究用閲覧室と貴重書を保管した書斎(立入禁止ですが通路から見学できます)があります。

Posted by falcon at 20:51:06 | from category: Main | TrackBacks
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