June 07, 2009
なつかしき地名を発見
「図書館、自衛隊、銃撃戦、立川、、、」パラパラとめくると、こんなキーワードが目に付きました。
えっ?まだ、拘っているのかですって?
いえ、いえ、実はこれ、村上春樹氏の新刊『1Q84』上巻をめくっていたら、目に付いたんですよ。
5月の末、発売日前だというのに『1Q84』は都心の大型書店では山積みで売っていました。
ところが、6月に入ると、どこの書店でも1巻は売り切れ続出で、2巻も棚にちらほら残る程度の売れ行きでした。テレビの番組で購買意欲を煽ったからでしょう。
6月4日、丸善・日本橋店で、たまたま1巻を1冊見つけてしまいました。店内の張り紙には、1巻は売り切れていて、6月10日くらいに入荷予定とあったのですが、2階の平置きに置いてあったのです。最初は2巻を1巻のジャケットで覆っているのかと思い、中身を確認すると紛れもない1巻でした。ページをめくっていると、上のようなキーワードが目に付きました。
帰りの電車の中で、疲れが湧きあがりつつ、まどろみながら読みふけっていると、ヒロインが首都高をタクシーで向かう方向と逆の方向に、電車が向かっていることがわかり、なんとなく面白くなってきました。
先のほうをパラパラとめくっていると、「二俣尾」という地名が書かれているのに気付きました。
「二俣尾駅」に登場人物たちが降り立つのです。
二俣尾なんて、小説には登場しそうもない地名です。JR青梅線の青梅駅と御岳駅の中間にある駅です。今は青梅駅から奥多摩駅(昔は氷川駅と言っていた)までは奥多摩線と言います。無人駅で、周辺には吉野梅郷、吉川英治記念館、川井玉堂美術館があり、多摩川の渓流の美しい景勝地ですが、そんなに知名度の高い場所とは思えません。
ですが、Falconが中学生の時、奥多摩から青梅に残る平将門伝説を調べていた時、よく二俣尾へは行きました。天気のいい日は立川から自転車で二俣尾まで行ったことがあります。
ここには、平将門の子孫と称した戦国時代の豪族・三田氏の居城である辛垣(からかい)城がありました。城跡は駅近くの山側にあります。城と言っても、天守閣のある立派な城ではなく、中世の山城です。三田氏は北条氏によって滅ぼされました。駅の近くには海禅寺という古刹があり、散策するのは風情があります。
というわけで、『1Q84』にハマりそうです。
『海辺のカフカ』は四国・香川県の高松市にある架空の私設図書館が舞台になりますね。『1Q84』でも東京の区立図書館が登場します。村上春樹氏は図書館にこだわりがあるようです。
まだ読み始めですが、『海辺のカフカ』のように2人の登場人物のエピソードがパラレルに語られる構造です。
『1Q84』がきっかけになって、春樹ファンが二俣尾に押し寄せるなんてことは起きますかね。でも二俣尾は景色の素晴らしい良いところですよ。友人たちもいます。
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