April 20, 2009
そういえばブルトン語の辞書の件
フランスへ行く前にブルトン語の辞書を探していた。ブルトン語は最近、ブレイズ語と呼ばれる。残念ながら東京ではブルトン語の辞書は見つからなかった。もしかすると日仏会館の図書室へ行けば見つかるかもしれないが、出発前は行く時間がなかった。
国立国会図書館にはブルトン語とフランス語の辞書がある。しかしながら、国立国会図書館では洋書が関西館に所蔵されて、東京からでは取り寄せになる。
結局、パリのポンピドゥ・センターの公共情報図書館BPIで見つけることができた。
BPIへ行ったとき、OPACが使えなかったので、レファレンスの担当者に聞いた。
「OPACが使えないから、仕方ないわね」と、担当者は顔に力なく笑みを浮かべて、分類記号が記されたシートをめくって、答えてくれた。しかしながら、簡単には分類記号が思いつかなかったようで、結構手間取った。ちょっと考え込んで、「そうだわ、ブルトン語はケルト語の系統に属します。だから、このカウンタの裏手の書架を探してね」
「ケルトですか」
「ケルトでなくて、セルティックよ、フランス語だからね」
(そうか、フランス語では発音が違うんだ)
「わかりました。ありがとう」
BPIは国際十進分類法(フランス語の略称はCDU、英語の略称UDCと異なる)を使っているので、言語は文学とともに8類にある。デューイ十進分類法では、言語は4類になる。
もちろん日本語とブルトン語の辞書はない。フランス語とブルトン語の辞書しかない。ケルト諸言語の分類で見つかった。
フランス語のBonjour!は、ブルトン語でDemat!になる。だが、発音までは確かめられなかった。ブルターニュ地方で実際に試す機会もなかった。訪れたレンヌはブルターニュ地方の入り口で、フランス語を話す人が多く、ブルトン語は一部の学校で教育されている程度だ。それにレンヌは大学都市で、若者の間では英語を話すこともある。
おそらくDemat!は、デマートゥと発音すれば問題ないのかもしれない。
日本にはアイルランドやスコットランドで話されているゲール語(ケルト系諸言語の一つ)の辞書というか、語法や文法を説明した関連書はある。フランスでもブルトン語は現代になって注目されて、一部の学校で教えるようになったので、小さな公立図書館では辞書はなかなか見つからない。もちろん、レンヌやヴァンヌの図書館の郷土資料のコーナーには間違いなくあるけれども。
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