March 17, 2009

たもかぶ本の街

 福島県では矢祭町のもったいない図書館がひたすら話題になるけど、思いがけないところでユニークな活動をしている町があった。
 福島県南会津郡只見町の山奥に「たもかぶ本の街」がある。
 昨年、地下鉄のフリーペーパーというか、無料で配布されている雑誌のコーナーで「COBS(コブス)」という雑誌の10月号を手にとって、持ち帰り、古新聞と一緒に置いておいた。そろそろ片付けようと思って、読み始めたら、記事に出くわした。
 1994年から町おこしの一環で始まった事業で、都会で要らなくなった本を買い取り、送ってくれた人には定価の10パーセントで査定して、1750円になったら森の1坪と交換できるという。さらに300坪になったら登記できる。すでに森の土地を登記した人が200人近くになるそうだ。1750円にするためには、定価で17,500円の本を売る。それで1坪になるから、300坪にするためには5,250,000円の本を売らなければならない。買うのも大変だし、それだけ読むのもしんどい。ネットで調べたら、交換券を発行して、その券で只見町の旅館の宿泊代の足しにできるようだ。
 集まった本は約200万冊で、もちろん半額で買うこともできる。

 先日、池袋のジュンク堂で2008年のLibrary of the Yearにジュンク堂池袋店が選ばれたことを記念して、イベントが開かれた。矢祭町のもったいない図書館もその一つに選ばれている。ジュンク堂は当然のことながら書店であるが、図書館のような機能を持つ書店として評価された。ならば、1994年から活動が始まったというから時遅しの感があるが、「たもかぶ本の街」も選ばれても良いのではないか、と思った。

 コブス10月号には、「たもかぶ本の街」の記事のすぐ下に、「ブッククロッシングBook Crossing」という活動に関しても掲載されている。こちらの活動は、読み終えた本をリユースする世界的な活動である。その趣旨は「世界中の街なかを図書館にする」。

 最近、「図書館法によらない図書館」とか、「図書館のような活動」とかが多くなってきた。私設の文庫活動もあり、図書館関係の雑誌には見向きもされないが、実は図書館以上に活動の幅を広げている。
 図書館法は、図書館の活動を振興する目的の法律だから、特に罰則規定があるわけでもない。ならば、図書館法によらない図書館があっても良い。最低限の保障があってほしいけど。

Posted by falcon at 11:35:32 | from category: Main | TrackBacks
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