November 08, 2008

禁書ねえ〜

 昨夜、帰りがけに書店に立ち寄ったら、『司書とハサミと短い鉛筆』の最新巻が平積みになっていたので、興味を持って、第1巻を買ってしまった。



 何と、電撃文庫、アスキー・メディアワークスのライトノベル、しかも今度は全裸の女の子が仕掛け絵本から飛び出してくる!
 学校図書館の司書も登場する。しかも、50ページには「森さん」という別の司書の名前が、夏宰司書の口から出てくる。『ドロ高』や『吉野北高校図書委員会』のように、学校司書は1人しかいないところが多い。設定となっている高校は、学校図書館にかなりの人件費を割いていると思う。所詮、フィクションなんだけど。

 ストーリーは≪走馬灯≫という超能力を持った高校生・文人(ふみひと)の周囲で起こる奇妙な出来事をつづる。

 まだ読み始めだが、47ページに出てくる「蔵書票」「蔵書シール」という言葉が気になった。「蔵書票」は最近の図書館ではあまり見かけない。標題紙(とびら)か、その裏に、蔵書印を押す、あるいは、図書を閉じたときにできる小口に蔵書印を押すことが多い。「蔵書シール」が何を意味しているのか、不明。分類ラベルのことなのか、それとも貸出用のバーコード・ラベルのことなのか、わからない。貸出用のバーコード・ラベルではないと思う。それは、図書の貸出は28ページに「貸し出しカード」とあるように、カード式(専門用語ではニューアーク式というのだけれど)を用いているようだから。

 イラストがライトノベルらしい萌え系で、ちーっとHなのだ。これは帰りの電車の車内で大の大人の男が読んでいると、周りの人間が引くかもしれない。
 たしかにエロチックな描写が無いわけではないが、ストーリーは意外と健全で、Hネタで釣らなくても、十分面白い。

 第1巻の後半に≪禁書≫という言葉が出てくるけど、メディアワークスの一連の作品を見渡せば、≪図書館≫と≪禁書≫というキーワードが浮かび上がる。作家の着想というよりも、メディアワークスという会社自体が≪禁書≫に拘っているような気がしてならない。
 何か過去に大きな痛手を負ったのだろうか。

 いずれにせよ、≪図書館≫≪司書≫というテーマの鉱脈に、多くのテキスト・クリエーターが群がりつつあることを予感させる。
 ゴールドラッシュっていうわけではないけれど。

Posted by falcon at 12:00:36 | from category: Main | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks