June 18, 2008

黒死館殺人事件

 小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』が最近、河出文庫で刊行された。Falconは、高校生の頃、社会思想社の現代教養文庫に収録されているのを高校の近くの図書館で借りて、『黒死館殺人事件』を読んだ。日本の推理小説では最高峰といわれている作品だが、高校生の時は、法水が繰り広げるペダンチック(衒学趣味)な世界に引きずりまわされただけだった。怪奇で幻想的なストーリーは、追随を許さないほどに、精緻をきわめている。今、改めて読み直すと面白いかもしれない。
 実写化するとしたら、大変だろうなあと思う。複雑に入り組んだストーリーと、想像を絶する黒死館の内部の描写は、実写は無理だろう。かと言って、アニメ化も軽薄な雰囲気になりかねない。

 小栗虫太郎の著作権は切れているので、いくつかの作品は「青空文庫」で読める。それにしても、小栗の作品を青空文庫で読むと、ドライアイがひどくなりそう。やっぱり、紙に印刷された本で読むしかない。

 書店で懐かしい作品に出会えた。

Posted by falcon at 01:46:08 | from category: Main | TrackBacks
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