November 05, 2007

ゆく秋に

 鹿児島県出水市に到着した日、少し暖かったからでしょうか、夜、クツワムシが鳴いていました。東京、横浜では、あまり聞いたことない鳴き方だったので、とても珍しく思いました。歌のように、ガチャガチャ耳障りに鳴くのです。エンマコオロギのように、コロコロ、コロコロと鳴くのもいいですが、たまには風変わりな鳴き声に耳を傾けるのもいいでしょう。虫すだく秋ですね。

 もう最近は鳴いていませんが、夕刻、都会の街路樹で鳴き散らかしているのは、アオマツムシです。正確な年代が定め難いのですが、海外から日本にやってきた虫、外来種です。台湾から来たというので、タイワンコオロギ、タイワンマツムシと呼ばれたこともあります。奥本大三郎氏は、『虫の宇宙誌』(新潮文庫)によれば、日本に元からいたのではないかと仮説を述べています。明治・大正のころから、東京で増え始めたようです。

 出水市のクツワムシですが、翌日の夕方には、もう鳴いていませんでした。この日はひんやりしてきたので、鳴かなかったのでしょう。虫は季節の変わりに敏感なんだと思いました。

Posted by falcon at 22:56:00 | from category: Main | TrackBacks
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