October 29, 2007

学術用語は「学閥用語」?

 最近、いくらかカタカナ表記の外来語が減らそうとする努力が行われている。

 だが、どこの学会でも、そうだけれど、安易に、無闇に、やたらと、カタカナ用語を使いたがる傾向がある。
 たとえば、アベイラビリティ(availability)で、有用性のことだが、学閥信奉者からは「漢語表現はわかりにくい!プン、プン(怒)」と言われてしまう。有用性のほうが「役に立つこと」の意味がわかりやすいし、漢語表現のほうが文字数が少なく、論文でもカッコイイと思うのだが、喧嘩しても始まらないので、折れることにしている。
 アクセシビリティ(accessibilityアクセサビリティの表記が英語の発音に近い)は、日本語に、また漢語表現にすっきりと収まるものが無いので、「ほら、やっぱり、カタカナで良いのよ!」と言われても仕方無い。あえて訳せば、接近しやすさであり、利用しやすさである。ただし、アクセスという語は、外来語として定着しているから、わざわざ、日本語で「接近」「行き方」なんて訳しようが無い。でも、日本語にできる。「身近に存在しやすい」とか、「行きやすい」とか、苦し紛れでも表現できる。学者というのは、難解な理論をわかりやすく、子どもにも説明できて一人前だ。スノビストの学者たちに、タカ・アンド・トシから「欧米か!」とツッコンデほしい。

 「おい、Falconだって、スノビストなんて外来語、使っただろう!このぉ、衒学主義者め!」
 「ゴメンナサイ」

 ユーザビリティ(usablity)に至っては、利便性、有用性という実にわかりやすい漢語表現がある。「利用しやすい」という意味なのに、無理してカタカナにする必要は無いと思う。「利用者の満足度」という意味合いもあるけど、利用者にとって快適かという度合いを表す言葉である。

 情報リテラシー、メディアリテラシー、コンピュータリテラシーなどは、情報活用能力とか、メディアが伝える情報を見抜く力とか、コンピュータ操作能力とか、もう、ちょっと工夫してほしい。
 情報活用能力を一部の学者が使いたがらないのは、文部省がコンピュータを使った情報活用能力として定義したことに由来している。コンピュータだけでなく、図書、雑誌、新聞、テレビ、ラジオなどのあらゆる情報源を使って、情報を活用するスキル(技能)のまとまりなので、情報リテラシーというアメリカ発祥の語を使いたいという主張である。早く言ってしまえば、定義なんか、どうでもよく、日本の文部省を低く見て、アメリカに追従しているだけなのだ。これが日本の学者のイヤラシーところで、スノビスティックというか、ペダンティックなのだ。シーがつくのは、エクスタシーとか、アヤシーとか、胡散臭い。
 それに、メディアという言葉を定義もせずに、やたらと使いたがる。メディアを、ちゃんと定義してから使ってほしい。「情報を伝える手段」と。

 話は変わるが、競走馬の名前は、競馬法で長音符(ー)を含めて、8文字と決まっている。それから、当然、既に登録した馬の名前をつけられないし、「バカ」とか不謹慎な名前はつけてはならない。それでも、「ワナ」「ナゾ」「サヨウナラ」とかユニークな名前を付けている馬主さんもいる。日本の競走馬は8文字だけど、ジャパンカップにやってくる外国馬は、日本語の発音表記に置き換えたときに8文字を越えてしまうことがある。

 何が言いたかったかと言えば、学術用語の外来語は、文字数を制限してほしい。競走馬と同じ8文字は長すぎる。せめて5文字にしてほしい。それなら、使ってやっても良いサ!と思う次第である。

Posted by falcon at 03:10:40 | from category: Main | TrackBacks
Comments

桐一葉:

遅すぎた閲覧ですが・・・その2.
 賛成です!カタカナ語の氾濫、嫌になっちゃう世相ですね。
 最近はKYなどローマ字による符牒、略語だけを集めた辞典(私はまだ見ておりませんが)まで辞典出版の老舗が出版、商魂たくましいというか、親切?というか、国粋主義者ならずとも国語はいったいどうなってしまったのか、日ごろ心配していたところです。主に女子中高生?の間に使われていると思われる隠語、私には一過性、麻疹(はしか)のようなもの、いずれは消えていくものと思っていたのに国会議員までが議会質問で使う始末。
 カタカナ語、欧米に追いつき追い越せの時代、自然科学、工学・工業の分野での技術用語がカタカナ語で定着してきたのは何となくわかるような気がしますがこんなに氾濫してくるとfalconさんでなくとも憤慨します。
 私の地元図書館でもけっこう使われております。キッズ、書店とのバッティング、サーチ、ガイド、ブックスタート、フリータイム、ベビーシート、ワンポイントアドバイス、モニュメント「ミネルバ」など、日本語で表現できないのでしょうかね。
 同じ漢字圏でも我国には片仮名、平仮名があり便利ですが中国にはこの種の文字表現はなく、そのため外国語の発音に似通った漢字を充てたり、意味を変換して充てたりしているようです。コカコーラは「可口可楽」、コンピュータは「電脳」、パソコンは「個人機」などけっこう漢字で表現できているようです。我国のそれぞれの斯界の権威者も外来語一語で10分いや5分だけでも頭を使い適訳を世に出してほしいものです。長くなりました。ごめんなさい。
(June 24, 2008 11:49:26)
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