July 23, 2007

台湾でも「読書論」が人気!

 今回の滞在は台北のみでした。
 まあ、温泉探訪で烏來温泉に行きましたけど、MRT注1とバスを乗り継いで行った陽明山(市中心部からは1時間くらいかかる)と新北投は台北市内です。

 注1:台北市内を走る地下鉄、というよりか、パリのメトロとRERに相当する鉄道網

 台北には誠品書店というメガブックストアーがあります。
 そうですね、日本で言えば、丸善、紀伊国屋書店、八重洲ブックセンター、ジュンク堂書店、ブックファーストに類する書店です。台北市内のあちこちにあり、大型店では図書・雑誌だけでなく、日用雑貨、時計、電気製品、珈琲なども店舗内で売っています。中でも台北101などが建ち並ぶ信義地区の信義店は最大の売り場面積で、図書館のようです。台北の人たちは本が大好き!だなあと思います。どこの国にも、本好きな人はいますけど。
 昔、訪れたときに比べて、本の紙質もよくなり、装丁もしっかりしていて、表紙のデザインも人を惹きつけるようになってきました。

 さて、今、台北の市内の本屋さんで大人気の本は、なんと読書論。

 「カク(赤扁にオオザト)」明義著『越讀者』です。Falconは空港の書店で買いました。

 Falconは中国語を勉強しなかったので、言葉としてほとんど理解できませんが、繁体字注2なので文意は何とか把握できます。ところどころイラストとマンガがあって、面白い内容です。インターネット(網路)時代の読書論が主題で、早く日本語に訳してほしいなあと思っています。「読書離れ」はどこの国でも騒がれています。台湾も豊かな文字文化と優れた文学に恵まれているにも関わらず、「読書離れ」は問題になっているようです。

 注2:台湾と香港では繁体字を用いて、簡体字を用いる中国本土と異なる。最近、中国本土でも繁体字を復活させる動きがあるらしい。簡体字があまりに簡略しすぎて、本来の文字がわかりにくくなってしまったのが最大の理由。日本人には繁体字のほうが理解しやすい。

 でもね、読書をしない子どもたちを問題にしている人たちがいますけど、日本では実質的には昔(30年くらい前)から不読者の割合は変わっていないと思います。昔の子どもは、今みたいにインターネットが無かったから、1冊でも目をとおした本があれば、「読書した」と答えていただけで、読まない子どもは今よりももっといたと思います。何よりも、今より圧倒的に出版タイトルも出版点数も少なく、学校図書館の活動が活発でなかったし、公立図書館の数が少なかったのですから、今より多数の不読者がいたと思います。調査があったときに、良いところ見せようとして、嘘でも本を読んだことにしていたのでしょう。その点では、今の子どものほうが真っ正直です。これは台湾も、他の国も同じ事情だと思います。

 早速、明日、中国語辞典を買い求めて、解読のつもりで読んでみようと思っています。漢字文化の国に生まれてよかったと思っています。欧米諸国にはない、豊かで細やかな文字文化が存続していることは、絶対に世界に誇れます。
 英語やフランス語ができなくても、卑屈になる必要はありません。今の日本人に欠けているのは、愛国心ではなく、自分たちの文化に対する自尊心です。日本語で堂々と世界にアピールすれば、良いのです。少なくとも1億人以上が日本語を話すのですから、世界の言語の中でもかなり大きな言語人口です。

Posted by falcon at 01:15:49 | from category: Main | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks