May 16, 2010

学会に慶弔費は必要か

 ある学会の総会に出席した。

 平成21年度の事業報告において、国際的な研究団体との協力・交流が掲げられていたので、どのような交流をしたのか、尋ねた。過去に外国の研究者が研究大会で講演を行ったとの答だったが、それは2年前のことで、平成21年度のことではない。しかも、その研究者は問題となっている研究団体の関係者か、どうかもはっきりしない。とにかく、平成21年度には何も交流事業は無かった。さらに、その団体には10年前に3年分の団体会員の会費を払っただけで、それ以降、まったく会費を払っていない。役員側の答えとして、交流の事実が無くても、希望的観測のもとに記載したと返された。これは明らかな虚偽であると糾弾して、削除を求めたが、議長による強行採決になった。結果、賛成多数で可決した。その後、議事進行の途中で、会長判断により、削除が求められた。

 平成21年度の決算案の議事において、予備費の中に「慶弔費」があったので、誰に対して、どういう経費があったのか、尋ねた。その後、慶弔費は学会で支出するべきではないと意見を述べた。これに対して、「心情的には学会で支出してほしい」「問題ならば、慶弔費の規定を作ればよい」などの反対意見が出た。Falconも心情的には、あるいは慣習として、慶弔費を支出することは反対しない。しかしながら、今日の厳しい経済状況の中で、学会の設立の趣旨と目的に賛同して、研究・調査と運営のために、会費を支払っている個人会員・賛助会員からすれば、あまり親交のない会員が逝去したから、会長判断で弔電、花輪、香典を出しましたと総会で言われて納得できるだろうか。これが親睦団体、自治会などで慶弔費の規約を設けているなら、話は別だ。ちなみに、この学会の規約に慶弔費に関する規約は無い。時間が無いとの理由で、議長による強行採決になった。そこで、「十分な話し合いが無いまま、採決にしないでほしい」と意見を述べたが、聞き入れてもらえず、賛成多数でこれも可決された。

 平成22年度事業案に、例の国際団体のことがあったので、会費を払って、交流事業を促進してほしいと意見を述べた。

 平成22年度の予算案でも、予備費に慶弔費が計上されているので、疑義を呈した。しかしながら、「心情的には学会が支払ってほしい」などの意見が続出し、Falconの反対に関わらず、議長の強行採決に入り可決した。途中で、「他の学会、学術団体に慶弔費に規定があるのか、調査したうえで、予算案に計上することを考えたほうがよい」との意見があった。

 総会の後、考えたのだが、予算案に慶弔費を予備費として計上するのは奇妙だ。慶弔費といっても、結婚、出産、入学などの「慶」ではなく、実質「弔費」であり、「人が死ぬ前から、香典袋を用意して待っている」ようなものだ。「心情的に」というなら、失礼極まりない。

 差しさわりがあると思うが、はっきり言って、高齢者が多く、しかも学会という組織のあり方を認識していない会員が多いため、老人会の寄合と勘違いしている。

 さて、このブログの記事を読まれた皆さんが関係している学会、学術団体で慶弔費の規定を設けているのか質問したいと思います。また、この件に関して御意見を頂けたら、ありがたく思います。

 問題となっている学会は、日本学術会議において学会として登録されています。 [more...]

17:26:49 | falcon | comments(0) | TrackBacks

早く立ち直ろうと思った

 財布の一件は、まだまだ気に病みそうですが、自分に「心の病」と言い聞かせて、早く立ち直ろうと思います。くよくよしても、財布が発見されるわけでもないし、長年、ATMで使い続けて、擦り切れてきたカードを新規にするので、心機一転、気持ちの切り替えと思って、前向きに考えようと思います。

 ネットで財布を落とした経験のある人の話を読んで、大変勉強になりました。運よく見つかる人もいれば、結局見つからず、あきらめる人もいます。財布は見つかっても、現金は抜かれて、ポイントカードなどは使われている人もいる。こういうのって、人の心の機微に触れますよね。

 そういえば、昔、モロッコでインチキガイドに騙されたとき、小銭入れを無くしてしまい、がっくりしたことがあります。所詮、モロッコの小銭が入っていたので、旅の流れであきらめて、ジブラルタル海峡を渡って、スペインの首都マドリードのプラド美術館で、小銭入れを買い、愛用しています。

 まあ、人生なって、こんなものです。

 忘れてはいけないことを忘れてしまい、忘れてしまいたいことを忘れずにいる。これも人生ですね。

 そうそう、意外と、喪失の思いから立ち直るときに、見つかることもあるものです。

01:54:41 | falcon | comments(0) | TrackBacks