April 19, 2010

記念日がいっぱいpart2

今年は国民読書年だけれども、図書館法制定60周年なんですね。公共図書館(正確には公立図書館と私立図書館)の法律ですが1950年の4月30日に制定されました。

 今年、全国図書館大会が奈良で開催されます。平城京遷都1300年ですが、実は日本に紙が伝来したのが平城京遷都の100年前の西暦610年、推古天皇18年です。現在の北朝鮮から中国東北部にあった高句麗の僧侶・曇徴が日本へ製紙法を伝えました。ということは、紙の伝来1400年なんですね。

22:24:25 | falcon | comments(0) | TrackBacks

『戦場でワルツを』とイスラエルという名の青年

 2009年4月2日、ロワッシーの空港(シャルル・ド=ゴール空港)で日本へ発つ便への搭乗までの時間があったので、空港の売店でBD(バンド・デシネ)を探していた。エンキ・ビラルの『アニマル』があったので買い求めた。店員の人が「『アニマル』は人気があるわ」と言っていた。そのとき黄色っぽい表紙のBDが目にとまった。疲れ切った男の顔がこちらを見ている。タイトルに「戦闘」とか書いてある。ページを開いてみると、面白そうだった。「BDは重いから、日本に着いてから、AMAZONで注文しようと思った。それ以来、タイトルを忘れていた。
 先日、都内のチケットショップで、忘れかけていたBDの表紙とそっくりな映画のチラシを見て、記憶がよみがえり、映画『戦場でワルツを』のBDだったことが判った。

 仕事の帰り道、途中下車して、映画を見た。
 ドキュメンタリー・タッチで描かれていて、アニメショーンだけれども、実写のような雰囲気がある。戦争の記憶を断片的に持っている男が、記憶の根源を求めて、関係者をさがして、彷徨する物語だ。構図と配色が非常に美しい。日本のアニメーションとは一味違う。レバノン戦争に出兵したイスラエルの兵士の物語である。戦地で知り合った友人がオランダに住んでいる。その友人は広大な敷地を持つ屋敷に住んでいて、ファラフェルの販売に成功したらしい。ファラフェルは、このブログでも紹介した。東地中海地域で食べられているコロッケ料理だ。パリのユダヤ人街で食べる味は格別だ。
 エロチックな映像も若干あるが、ほとんど気にならない。むしろ、最後の実写の映像が強烈だ。強烈過ぎて、感覚を通り抜けてしまうくらいになる。『カティンの森』も衝撃的であったが、虐殺の実写には及ばない。
 まだ、日本全国で上映されるようなので、是非鑑賞を勧める。

 今、読んでいる『蔵書まるごと消失事件』の主人公の青年がイスラエルという名のユダヤ人だ。こちらはユーモラスで楽しいお話だ。尤も、司書を志望して北アイルランドにやってきて、災難続きで、主人公の立場では笑うに笑えない状況なのだが、読者としては思わず共感してしまう。作者も図書館のツボを心得ていて、的確に図書館好きの人間を引き付けるキャッチ・フレーズを繰り出してくる。会話が多いことと擬声語が多用されているので、『●●●戦争』のトラウマがよみがえってきそうだけれども、そこをぐっと抑えて、物語にどっぷりつかっている。会話というよりも、文章に隙間が多いので、早く読める。

 そういえば、先日、『ためしてガッテン』で速読のことを取り上げていた。速読のためには、文章を脳の中で音読しないで、情景を思い浮かべて読むと良いと解説していた。その点では、『蔵書まるごと消失事件』は分厚い文庫本だが、速読に適している。
 難解な哲学書は情景を思い浮かべろ!と言われても無理だ。速読できる本とできない本があるのは仕方ない。読書は、人それぞれ個性的な読み方をすればよいと思った。平野啓一郎さんも勧めているが、遅読・スローリーディングも悪くない。

12:09:02 | falcon | comments(0) | TrackBacks

記念日がいっぱい

 カレントアウェアネスの記事を見ていたら、「第1回全米移動図書館の日」が2010日4月14日とあった。アメリカでは2010年は4月11日から読書週間が始まり、移動図書館の日の設置もその一環だそうだ。なんだか、このところ、移動図書館の小説や話題が多いと思ったら、そういうことだっただね。

 ちなみに日本ではもうすぐ4月23日が「子ども読書の日」だ。もともとは、この日にスペインのカタルーニャ地方の本を恋人に送る習慣である「サン・ジョルディの日」を、日本書店組合連合会が定めて、図書の販売を促進しようとしたのだけれども、聖ヴァレンタイン・デーのチョコレートを贈る習慣ほど浸透しなかったので、子どもの読書活動の推進に関する法律で「子ども読書の日」に定めた経緯がある。さらに今年は「国民読書年」なので、関連団体としては熱が入っている。

 その1週間後の4月30日は「図書館記念日」で、1950年図書館法が制定されたのを記念して定められている。図書館に関心が無い人には、どうでもいいことだ。そんなのよりも、黄金週間の真っ只中で、ついでに休みにしてくれないかなあ、エーイ、有給休暇を使っちゃおう、といっても、今年はヨーロッパ旅行は無理そうだしなあ、ぐらいにしか思えない日かもしれない。

 前にも書きこんだけれども、2000年、ちょうど図書館法制定50周年を記念して、4月30日を「図書館記念の日」として国民の祝日にする法案を提出することも考えて、新党「図書館党」を立ち上げようとした。うん、今年は2010年図書館法制定60周年だしね、参議院選挙に向けて、新党「図書館党」結成しても。。。。。。
 まっ、金もかかるし、図書館のことだけ考える政党じゃ、得票率も高くなさそうだし、もうちょっと様子を見ることにしよう。

01:37:49 | falcon | comments(0) | TrackBacks