July 17, 2013
郷愁のウルトラマン
これを読んで、愕然として、言葉がでなくなりました。
そうですね、50代から40代、1960年代後半から70年代に少年時代を過ごした人ならば、「ウルトラマン」「仮面ライダー」は忘れられない思い出でしょう。「マグマ大使」「ジャイアントロボ」「ミラーマン」「レインボーマン」「人造人間キカイダー」「ロボット刑事K」、、、思い出せばきりがありません。ヒーロー&怪獣・怪人ものです。
円谷一族の栄光と挫折の記録です。
子どもたちの夢の裏側には苦闘をした大人たちの思いが詰まっていたことを知りました。
著者の円谷英明さんは、身を切るような思いで書いたのでしょう。親類・関係者たちの実像を赤裸々に描き出しています。
この著作を冷静に読むと、経営学の本として実に興味深いことがわかります。
起業を成功させるには、
第1に、高い技術力
第2に、夢を描く創造性
第3に、失敗に気がつき修復する能力と柔軟性
第4に、勝機を捉える機敏性
第5に、言うまでもなく資金力
第6に、周りの人材を大切に気遣うコミュニケーション力
第7に、文化の違いに気がつく感性(受け止め方)
円谷プロは高い技術力があり、夢を描く創造性は豊かでした。高度成長期の子どもたちの心をわしづかみにしたのですから。
この本を読めば、スピルバーグやルーカスがどれだけ多くのことを円谷プロから学んだかがわかります。
これだけダークな面があるからこそ、ウルトラマンは僕たちの心に永遠の希望の光を灯してくれるのかもしれません。明日を信じて、子どもたちに夢を語ってくれたウルトラマンと関係者たちに、心からねぎらいと感謝の気持ちを述べたい気持ちになります。
そういえば、ジャミラって言う怪獣がいましたよね。元宇宙飛行士で、水星で見捨てられて、異様な姿で戻ってきた怪獣でした。ウルトラマンの怪獣の中では、その醜さのために異彩を放っています。元宇宙飛行士だったために、地球防衛軍とウルトラマンは簡単に退治できない。途轍もない苦悩を描いたものです。子どもながらに、ひどく印象に残っています。
今、調べらたら、ジャミラの名前はアルジェリアの指導者の名前からだそうです。奥が深い。
アラビア語を勉強していたときに、気になっていました。
アラビア語では、ジャミラは「美しい」という形容詞で、女性の名前に多く使われています。
怪獣墓場のシーボーズの回も、複雑な思いをさせられました。
ウルトラマンって、単なる勧善懲悪の番組でなかったのです。
さらには当時問題になっていた環境汚染の問題も取り上げていたし、宇宙科学や最新の科学技術を、ウルトラマンと怪獣たちの対決の構図で描いていました。
ウルトラセブンはスタイリッシュで、爽やかな印象があります。
そういえば、ウルトラセブンで諸星ダン隊員を演じた森次浩司(晃嗣)さんって、北海道滝川市の出身なんだってね。
「なんで、滝川市の話題になるの?」
いや、その、まあ、滝川市に行ったことがあるのでね。
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