December 26, 2012

大河ドラマ『平清盛』、なぜ視聴率が気になるの?

 正直言って、『平清盛』は画期的な演出で、興味深かった。

 時代劇を見ていて、真っ白な歯で笑っているシーンに気味悪く感じていた。あれじゃ、かつらをかぶって、和服を着た現代劇にすぎない。
 その点、今回、『平清盛』では、男性の貴族を演じてた俳優の何人かが鉄漿をしていた。本来、宮中の女官や、皇族たちも、平家の公達たちも、鉄漿をつけるべきだった。

 画面が暗いという批判があったが、夜のシーンで現代のように明るいのはおかしいし、軒の低い日本家屋で、朝や昼間、部屋の中が明るいのも変だ。視聴率、批判は気にせず、時代考証に忠実な芸術ドラマとして、堂々と放映していれば、問題無かったはずだ。

 戦国から江戸、幕末と、毎回、同じような話で、食傷気味だったから、今回の『平清盛』は本当に良かった。

 保元の乱・平治の乱がどういう事情だったのかが、良くわかった。藤原頼長が男色家であったことも、さりげなく描いていたし、後白河法皇の奇矯な姿もよく描かれていた。

 松山ケンイチ君は端正に手堅く清盛を演じていたのに、周りの個性的な芸達者な俳優に囲まれて、見終わってから、ふと思うと、主人公は誰だったっけって印象だった。それが唯一の弱点。

 以前から希望しているけど、足利義満、田沼意次を大河ドラマで取り上げてほしい。二人とも平岩弓枝さんの小説がある。

 ああ、耳に付いて離れない、思わず口ずさんでしまう。
 「遊びをせんとや、生まれけ〜む〜」

 結構、インパクト大きかったけどなあ。

 今年、父が亡くなったときの挨拶で、西行法師の歌を捧げた。
 葬式の後で、母が聞き間違えて、「えっ、父さん、帯状疱疹無かったけど」って言ったので、みんなで気が緩んで、笑い転げったっけ。

 2012年、大河ドラマで楽しみました。

Posted by falcon at 05:17:10 | from category: Main | TrackBacks
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