October 14, 2012

海抜と標高、地下鉄の駅の深さ

 最近、都営地下鉄の駅の入口に「海抜〜m」と表示されているのを気が付きました。おそらく東南海地震が起きて、津波が発生して東京湾に押し寄せてきたときのことを想定してのことだと思います。地下鉄の駅構内に津波が押し寄せたなら、ひとたまりもありません。
 海岸から8kmぐらい離れていて、海抜5m以上ならば、なんとなく安心です。東京は比較的遠浅の東京湾の奥まったところですから、巨大津波が発生して押し寄せてきたら、想定外の高さに達する可能性はあります。海岸近くで海抜2mと表示があると、相当危険だなあと思ってしまいます。常日頃から防災のことを気をつけて生きていなければなりません。東京という町はとても繊細で脆弱な街です。

 でね、ふと気が付いたんですよ。土地の高さを表すのに、海抜と標高がありますよね。平地は海抜何mと表示されますが、山や高地は標高何mと表示されますね。どこに違いがあるのでしょうか?

 早速、インターネットで調べてみました。

 結論からすると、海抜も標高も海面からの高さであることに変わりないとのことです。つまりも、要するもなく、とにかく同じことです。
 海抜は文字通り海面からの高さですが、標高は海面からの高さを測った水準点の高さを基準として高さを測ったもので、海面から水準点までの高さも含めて表すから、結局、海抜と全く同じことになります。

 それで、さらに気になったことがあるんです。
 8月にIFLA大会でフィンランドのヘルシンキに行ったことは書きましたね。そのついでに大会が終わった後、ロシアのサンクトペテルブルグへ行きました。
 サンクトペテルブルグでフィンランド駅に隣接する地下鉄の駅(駅名が長くて、そのときだけ憶えて忘れてしまった)から次の駅(ホテルの近く)まで乗ったのですが、とにかく駅が深いこと深いこと、驚きました。もっとも町を貫く大河ネヴァ川の下を通過するので、そのためもあると思いますが、エスカレータに乗って、ホームまでいつ着くのかと思ったほどです。しかもエスカレータの動く速度はかなり早いし、あまりにも長いので駆け足で上る人も、降りる人も皆無です。
 こんなに長いならエレベータがあればと思ってしまいますが、通勤時間帯にこの深さをエレベータで人を運ぶのは非効率です。
 では、なぜ東京の千代田線・新御茶ノ水駅のエスカレータよりも長いエスカレータが必要なのかです。
 おそらくサンクトペテルブルグがネヴァ川の河口の町で、地盤が軟らかいからだと思います。

 「ちょっと待った!東京だって荒川、隅田川等の河口の町ですよ、それにかなりの部分が埋め立てじゃないですか。なのに地下鉄の駅が地下の浅いところを走っているのは、どうなんでしょう」

 そうなんですよね。フランスのパリの地下鉄が浅いところを走っているのは、岩盤が硬いからです。パリは長いこと建物の石材を町の地下から掘り出していました。フランスで古生物学が盛んだったのは、町の地下から石材を掘り出したからです。いくら岩盤が硬いと言っても、落盤することもあったそうです。
 東京の地下鉄が地下の浅いところを走っている理由を、最初は日本の技術が進んでいたからと思っていたのですが、よくよく考えてみたら、建物が無い、道路の真下を通っている地下鉄が多い。すべてではありませんが、副都心線は明治通りの真下を通っています。だから、建物の基礎部分を通過することもなく、落盤の心配もない。それにしても、あれだけ軟弱な地盤のところに地下鉄を通しているのだから、日本の技術は世界に誇れると思います。

 公平に考えておきましょう。ロシアのサンクトペテルブルグの地下鉄の駅も、あれだけ地下深くまで掘って造ったというのも、凄い技術というか、執念までも感じます。
 日本もロシアもそれぞれ技術の高い国です。

 ところで、夏のサンクトぺテルブルグで、蚊に刺されました。イタリアでも蚊がいましたから驚くほどでもありませんが、でも北方の町ですよ。ホテルに、日本でよく見る蚊取り用の薬剤の入った器具がありました。幸い、日本から虫さされ用のクリームを持って行ったので、かゆみを止めました。
 サンクトペテルブルグは北のヴェネチアとも言われるほど、運河の多い町なんです。蚊もいます。
 ピョートル大帝が不凍港を求めて町を建設したという話も納得できました。

Posted by falcon at 00:43:30 | from category: Main | TrackBacks
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