April 29, 2010

専門家と非専門家を隔てる深い河

 4月28日のTBS『NEWS23』で、東京学芸大学で行われた校長塾(?)という研修活動について特集されていました。全国から、意欲のある校長、副校長、教頭が40名くらい(?)集まり、泊りがけの研修が行われたようです。文部科学副大臣の鈴木寛氏、民間出身の校長として注目を集めた杉並区立和田中学校・元校長の藤原和博氏、児童文学研究家の赤木かん子氏が校長先生たちを相手に、学校教育の問題点を次々に取り上げていました。また、演出家の平田オリザ氏がファシリテイトするワークショップで楽しそうに体を動かす校長先生たちの姿を垣間見ました。

 たしかに、硬直化した学校制度を打ち壊して、新たな視点を得るという試みとしては評価したいと思います。元・民間校長の藤原氏は、NHK『週刊子どもニュース』を超えるような社会科の授業ができるかと校長先生たちに問いかけ、それを実現するためには学校の先生以外の人を取り込み、授業を活性化する必要があると訴えていました。

 赤木かん子さんの学校図書館への独自の視点を全面的に否定するつもりはありません。学校図書館について十分な知識を持った校長先生だったら、「かん子さんの考えも興味深いよね」と一歩引いて考えられるでしょう。
 しかしながら、何でもかんでも、「非専門家の考えが客観的だから、優れた考えだ」と思いこまれても困ります。その点では、藤原氏の異様なカリスマ性に危険性を感じます。学校図書館に関しては専門家がいるわけですから、その専門家が解説したうえで、非専門家が意見を述べるべきだと思います。
 本当に困ったことに、公立図書館に関しても、学校図書館に関しても、専門家を蔑(ないがし)ろにして、「熱心に勉強をしている」取り巻きが目立っています。

 やはり、専門家は立ち上がり、信念を持って、正しい道へ導いていかなければなりません。

Posted by falcon at 22:18:59 | from category: Main | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks