December 16, 2009

コメントの主旨が不明

 「安全対策をすりぬけても」さんからコメントを頂きましたが、主旨が残念ながら、よくわかりません。

 社会経験の乏しい大学教員を、同じような立場の私が責めたくないという意見表明であって、そのことを大袈裟に「人権侵害になるかもしれない」と自嘲的に表現したにすぎません。

 本当は、社会経験のある大学の先生がもっと学生たちを指導できるとありがたいと思っています。素晴らしい研究を発表して、社会に貢献する大学の先生は、それは称賛に値します。Falconは、正直言って、社会に貢献できるような研究はしたいと思っていますが、なかなかできません。だからこそ、学生が社会に出た時に役立てることを教えたいと思っています。
 最近、学生たちのことを考えて、公務員試験の勉強会を始めました。公務員試験を受験した経験があるので、少しでも学生を助けたいと思っています。
 試験や成績で学生たちを苦しめるのが、大学の先生ではありません。学生たちを社会人になれるように導くのが、大学の先生の使命と思っています。 

 私が主張したかったのは、授業料を払っている同じ大学の中で、役に立つ授業をしている先生がいたら、学生は無理してでも、受講させてもらうことです。私は学生の頃、哲学科、歴史学科の講義を「単位は要らない」と先生に断って、受講させてもらいました。
 単位は要らないと断って聴いた講義のほうが、ものすごく勉強になりました。哲学科の古代ギリシア哲学からソシュールまでの言語論を「盗講」していましたけど、楽しかったですよ。正規で受講する学生が少なくて、先生と「盗講」する私だけの時もありましたけど、先生は淡々と講義をされていました。卒業単位に関係ないロシア語の授業も聴いていました。フィンランド文学とカレワラの講義もむちゃくちゃ楽しかった。数年前、鬼籍に入られた川村二郎先生の近現代日本文学とドイツ文学との比較文学の講義も、心に刻まれた講義でした。
 だから、大学の講義を休みたがる学生の気持ちが、正直理解できません。

 他大学の授業に潜り込むことは「犯罪」ですか?
 私は学生の頃、他大学の授業にも潜り込んで聴いたことがあります。それに単位互換という制度もあるし、こそこそ潜り込まなくても、手続きを取れば、単位も取れます。講義を聴きに来る学生が増えて、怒る先生がいますか?
 学生をおだてて、気を使って、学ぶ環境を整えても、もっともらしい理由をつけて休む学生が多くて、多くの大学の先生が嘆いているというのに。

 就活も、ある意味、「戦場」かもしれません。

 と書けば、言葉尻を捉えて、面白おかしく書きたてるのでしょうね。

Posted by falcon at 20:31:29 | from category: Main | TrackBacks
Comments

某大 科目履修・院生 :

先生、こんばんは。
いつも拝読しております。
大学教員は、研究、教育、社会貢献の3つをこなさなければならない、と教授から教え込まれています。ただご指摘の通り、社会経験の無い(私も1年しか社会人経験がありませんが)大学教員がほとんどで、研究者としては優秀でも講義は苦手だ、就職指導など全くできないと公言している教員は少なくありません。もっとも、研究そのものが社会貢献であると言う先生もいらっしゃいます。

ゆえに学生が休みたがるのは、そういう先生の講義が面白くないから、何のためにもならないから、とりあえず単位のため最低限出席しておこう、という判断からでしょう。
逆に、先生の講義は出席率も学生のマナーもかなりよい方だと、現役TAが自信を持って言えます。(ちなみに前期S先生の、隣の教室は毎回壮絶でした、大騒ぎです)

もはや大学の大衆化は抑えられません。うちの学部でも全入学科が複数出現しています。飲食物を持ち込むな、ゴミを捨てるな、おしゃべりするな、帽子をかぶったまま講義に出るな、マナーを守れ、器物を破損するな、そんな”人間として”当たり前のことを逐一注意しなければならないのは、現在TAをしていても同じです。仮に講師になっても同じこと、いや更に酷いことになるかもしれません。

さて、いわゆるモグリをやったことがありますが、それは友人の大学へ遊び半分に行った程度で、あの先生の講義はすばらしいからと嗅ぎ付けて行ったことはありません。私のような学生にとっては、よき先生に出会うのは運に委ねられていますね。

以前もお話したとおり、科目履修で単位取得しているのは、院生は免許取得のためでないと科目履修登録ができないのと、本校で単位取得したことが無いので、近い将来に本校で教員をするときの参考にと、加えてNIIに所属する図書館情報学研究者と研究する機会が続いているから基礎知識をと、というのが理由です。偶然、よき先生に出会えたと感じます。先生が”直接関係ない雑談だけど”と小話を挟まれるのは、私も塾講師時代に身につけたことで、確かに試験には無意味なことでも、学生や生徒を飽きさせないテクニックですし、今後参考になると感じています。

翌年度は研究員として学位取得を目指し、翌々年度には大学で非常勤講師(最近、とある県の新設学部から専任講師の話が来ましたが、学位取得を優先せよとの指導教授の命により辞退し、非常勤を希望しました)をする予定です。先生の「試験や成績で〜」の一文、大変参考になります。正直なところ、逆の考えを持っていました。

では明日、本校での本年最終講義よろしくお願いします。
(December 20, 2009 21:13:46)

falcon:

本音を言えば、貶されるのは嫌ですが、あまり褒められるのも、恥ずかしい限りです。
図書館司書課程ならば、もう少し詳しく説明します。司書教諭課程なので抑え気味に説明しています。あまりお役にたてなくてすみません。
(December 22, 2009 13:09:26)
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