March 20, 2009

日本で図書館がストライキで閉館したら

 「まる3」、コメントありがとうございます。
 だいたい同じようなことを考えていると思います。

 そこで仮定として、日本で図書館がストライキで閉館したら、どんなことが起きるかを考えてみます。
 まず、ニュースにはなるでしょう。フランスで学校の教職員がストライキに参加しているというのは、日本じゃ想像もつきませんけど、図書館がストライキで閉館したとしたら、珍しいのでニュースになるはずです。
 日本では、交通機関に比べれば、図書館がストで閉館したくらいで、住民は全く困りません。「閉館したのか、また今度にしよう」くらいの感覚です。フランスは図書館が閉館したら困る住民がいるから、ストライキに踏み切れるのでしょう。

 図書館の経済効果を査定してみると、面白いかもしれません。図書館があるおかげで、地域の商店街がどのくらい儲かるか、あるいは自治体(地方公共団体)がどのくらい税収入を上げられるかです。あるいは、図書館があるおかげで、その町に住みたいと思う人がどのくらいいるか、企業がその町に工場を建てたい、出店したいと思うかです。もう少し具体的にいえば、不動産屋さんの広告に「図書館まで徒歩5分」というキャッチフレーズを入れて、入居したいと思う人が現れるかです。

 大学で教えている図書館経営論は、今一詰めが甘いと考えています。数値化することに慣れていない、人文系の先生が教えると、図書館概論や図書館サービス論との区別がつきません。また、図書館司書課程を履修する学生の多くが、なぜか文系、その中でも最右翼の日本文学専攻、歴史学専攻が大多数を占めているので、先生が躍起になって数値化することの重要性を語っても、「わかりにくい!」と授業アンケートに書き込まれるのが関の山。そうなると、教える側も気が引けて、適当な話で時間を潰すしかありません。

 もっと本格的な経営論で図書館を語れないのかなあと、暗中模索しています。

Posted by falcon at 18:21:31 | from category: Main | TrackBacks
Comments

まる3:

ども。

図書館経営論をみても、文科省の新任館長研修をうけても「経営論」という印象はありませんでしたね(受け取り方の問題かもしれませんけど)。

MBAではないですが、公共図書館である切羽詰まった状況を設定され、どやって経営危機を乗り越えるか...なんていう講座があればおもしろんですけどね。

それと公共施設の建設地にマーケティングは、不思議な方向を向いてますよね。町村合併したような自治体ならなおさら...あの施設はこっちの地域につくったから、この施設はあっちの地域につくろう...みたいなことをしているうちに、どっちも行きにくくなる。ショッピングモールみたいに一度駐車場に車をとめたら、あっちもこっちも使えるような公共施設の建て方は、基本的にはしませんので、マーケティング...なんてことは、そもそも考えていない。だから結果、お客さんが行きにくい/利用しにくい場所になってしまう。
一般の商店なら、どこに建てるか/どこで商売を始めるか...は、大きな要素ですが、図書館経営にはそんなことは全くふくまれてません。そもそもマーケティングなんていう言葉すら、経営論には出てきませんので。

 図書館をどげんかせんといかん!

という人は...この先も登場しないんだろうな。
(March 20, 2009 21:46:01)
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