January 21, 2009

驚異!菌類の世界

 先日、上野の国立科学博物館で開催されていた「特別展菌類のふしぎ:きのことカビの仲間たち」へ行ってきました。
 驚きの連続でした。

 一口に菌類と言っても、いろいろな種類があって、きのこやカビ、酵母の仲間が菌類です。細菌や変形菌、粘菌は、菌類と区別されます。

 第1の驚き、菌類は、植物よりも動物に近い!
 この点は以前、テレビの番組で菌類の細胞壁にはキチン質が含まれていて、節足動物、エビやカニ、ミジンコ、クモ、ムカデ、昆虫などの外皮にも、キチン質が含まれているので、セルロースでできている植物の細胞壁とは異なると解説していたのを見ていましたから、軽い驚きでした。これまでも生物を動物と植物に分けてしまう二界説に疑問を投げかけてきましたが、やはり無理がありますね。セミタケのように昆虫に菌類が取り付いて、冬虫夏草となるのが知られていますが、菌類の細胞壁と昆虫の外皮の成分が似ているからなのかもしれません。

 第2の驚き、菌類の中には「性」を持つものがある!
 これまで菌類は単為生殖で「性」はないと思い込んでいました。胞子から菌糸が伸びて、胞子ができて。。。。。。と、実に単純な生活史を繰り返しているとばかり思っていました。ところが、異なる遺伝子を持つ菌糸が接合(セックス!)して、やがて胞子ができる菌類の仲間がいると知って、ビックリ。性があると言っても、動物のように卵子と精子が形成されるわけではないし、植物のように花粉と子房が形成されるわけではありませんが、沼などにいるゾウリムシやアオミドロのように接合するというのです。コウジカビや酵母が接合するのかはわかりませんが、菌類たちの「甘〜い」ささやきが芳醇な日本酒やワインを醸していると想像するとなんともロマンチックですね。

 キノコの女王と言えば、テングダケでしょう。
 Falconは北海道でテングダケの仲間のキノコを見たことがあります。薄暗い森の中で赤い傘を広げる様子は神秘的で、ひきつけられます。テングダケは毒のあるキノコだそうですから、触りもせずに眺めていました。

 そういえば岩や木の幹などにへばりついている地衣類をご存知ですか?
 地衣類は菌類の仲間と藻類が共生している生物だそうです。自動車の排気ガスに弱いので、環境のバロメーターになります。
 小学生の頃、理科の実験でリトマス試験紙を使って、酸性、アルカリ性を判定しました。そのリトマス試験紙の色素は、地衣類のリトマスゴケから抽出したものなんだそうです。意外なところで菌類がつかわれているのですね。

Posted by falcon at 23:12:48 | from category: Main | TrackBacks
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