November 16, 2008

デバに会ってきた

 今日、東京地方は雨がしとしと降り、一日中、厚い雲が空を覆い、薄暗い夕方のような天候だった。

 本当に久しぶりに上野動物園へ行った(上野の博物館や美術館は何度も来ているのだけれど)。地下鉄千代田線の根津駅から歩いて、池之端口から入ろうとしたら、閉園ぎりぎりで入場券の販売機のシャッターを閉めかけていた。そこで窓口の係りの人に「ハダカデバネズミが見たい!」と言ったら、フフッとほほ笑んで、「あと30分で見られなくなる動物がいますけど良いですか。」と言われた。
「いいです。ハダカデバネズミが見たいから」
「それなら、小獣館へ行ってください。ここから近いですよ。ハシビロコウのところを曲がってください」
(ああ、テレビで見たことある、じっとして動かない鳥のことね)
「ハーイ、行ってきます」
 入場券を握りしめ、小獣館へ直行した。ハシビロコウをちらっと見て、薄暗い小獣館へ行った。

 いた、いた。
 近くで撮影した写真だと気味悪く醜いが、遠くから見ているだけなら、結構可愛い。ハダカなので幼獣を見ている錯覚を感じるからだろう。
 巣の様子が透明な合成樹脂の窓からのぞける。
 2匹が透明な通路でぶつかると、どちらかが乗り越えてゆく。
 面白いのが前を歩いていたデバが急に立ち止まって、後ろ歩きを始めると、後を歩いていたデバもたどたどしく後ろ歩きを始める。次第にするすると、まるでマイケル・ジャクソンのムーン・ウォークのように、狭い通路を後ろ歩きする。

 周りには珍しいネズミやコウモリ、ミーアキャット、アルマジロなど、興味深い小動物がいる。
 ハダカデバネズミは1匹の女王と2,3匹の王(繁殖オス)が中心の社会性の強いネズミだけれど、社会性が強い哺乳類はほかにもいる。すぐ近くで展示されているコビトマングースで、繁殖をするカップル以外は残りは仲間の世話係なんだそうだ。
 それから、意外と身近にいるコウモリらしいが、展示用の透明な板と木の板の隙間に押しつぶされるように入り込んでいる種類がいた。なにしろ狭苦しそうで、見ているこちらが息が詰まる。でも、彼らはこれで安心して寝ているらしい。
 アルマジロは硬い皮を背負っているけど、つぶらな瞳があどけない。
 地下の階にはギャラゴ、ロリス、ツパイがいる。
 ツパイは一見するとリスのようだが原始的な猿の仲間。人間の進化を考える上で重要な動物である。

 楽しいひとときだった。

 ハダカデバネズミを見られる小獣館は西園にある。JR上野駅から近い東園からは少し歩く。小獣館へ直行するには、地下鉄千代田線の根津駅から歩き、池之端口から入園するのが便利である。

 以前に上野動物園を訪れたのは、子どものころだった。
 家族で訪れたのが最後だった気がする。
 その前は祖父や祖母が連れて行ってくれた。
 夕闇が迫る動物園を去る時、亡くなった祖父たちが寂しそうにたたずんでいるような気がした。

 ちなみに入口でもらった上野動物園の案内図の片隅に、2008年は国際カエル年とあった。
 ああ、そうだったのか。
 ところで、日本のカエルに蔓延すると恐れられたツボカビはどうなったのだろう。今度、国立科学博物館の『菌類のふしぎ』展で解決してみよう。

 そういえば、東京あたりで見られる「トノサマガエル」と思っていたカエルは、実は「トウキョウダルマガエル」であることが最近分かってきた。姿かたちはよく似ていても違うカエルなんだという。
 本物のトノサマガエルは、名古屋以西にいるらしい。

 それにしても、最近カエルを見なくなった。以前は川や池が近くになくても、アマガエルが雨が降ると突如あちこちから現れた。

 筑波にいたころは、カエルをよく見かけたなあ。
Posted by falcon at 19:41:13 | from category: Main | TrackBacks
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