July 19, 2008

天使の微笑みに見守られて

 NHK『探検ロマン世界遺産』で、シャンパーニュ地方のランス大聖堂が登場しました。Falconは昨年3月、ランスへ行きました。Falconが訪れた時は大聖堂の前の広場が工事中で、周辺がとても歩きにくかったです。番組の撮影が行われた時は工事が終了した後だったようです。
 さて、番組は大聖堂の歴史と大聖堂を宗教的な象徴と信じる少女の話でしたが、番組の随所にジャン・ファララ・メディアテックが映っていました。黒っぽいガラス張りの建物です。気がつきましたか?最近(2007年1月)改装したばかりのランス市の中央図書館です。図書が中心ですが、図書以外の資料も扱っているのでメディアテックと言います。住民以外に貸出はしてくれませんが、閲覧だけなら観光客でも気軽に利用できます。
 Falconが昨年訪れたとき、メディアテックというから、図書はなく、それ以外の資料だけしかないだろうと高をくくっていました。ところが、入ってびっくり。立派な図書館でした。2階以上の閲覧室からは、大聖堂が見える全面ガラス張りの窓です。もちろん紫外線を防ぐため、外からは黒く見えます。大聖堂を眺めるには、このメディアテックの2階以上の閲覧室が絶好のロケーションです。天使の彫像の微笑みまでは見られませんけど。
 メディアテックの1階は新聞・雑誌のコーナーと児童サービスコーナーですが、児童サービスのコーナーから階段を上がるとマザリン(中2階)に、少し年齢が上のヤングアダルト・コーナーがあります。ヤングアダルトと言っても、いわゆるフィクション、読書材ばかりでなく、学校の授業で教科書以外に使えるノンフィクションがあります。各階は部門ごとに部屋が分かれています。最上階にはマンガのコーナーがあり、日本のコミックが置かれています。もちろん、フランス語訳です。
 大聖堂周辺には、カーネギー図書館があります。ここは市の図書館で古く、アールデコ風の壁画や内装が素敵です。こちらは市の文書館を兼ねる調査研究図書館です。第1次世界大戦で爆撃などで破壊された図書館を再建する資金をカーネギー財団の資金を受けたことから、カーネギー図書館と呼ばれています。ベルギーのルーヴアンとセルビアのベオグラードの図書館もカーネギー財団の資金で再建されたようです。

 この夏、ランスを訪れる方は、町のレストランでシャンパンを楽しむだけでなく、天使の微笑みに見守られながら、本をメディアテックで読んでみては、いかがでしょうか。日本のコミック本のフランス語訳でも十分。贅沢な時間の過ごし方と思いませんか?

 番組をご覧になっていた人は、登場した少女が12歳なのに中学2年生と言っていたので、疑問に思ったことでしょう。フランスは小学校が5年制で、中学校(コレージュ)が4年制、高校(リセ、職業リセ)が3年制なので、少女は日本では中学1年生に相当します。日本でいう職業高校、職業リセはコレージュの3年生から入学できます。なので、職業リセは学校によって4年制、5年制のところもあります。
 フランスの中学校、コレージュの図書館での授業が見られると期待して番組を見ていましたが、残念ながら、それはありませんでした。本当に残念でした。

Posted by falcon at 21:47:42 | from category: Main | TrackBacks
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