July 03, 2014

フランスの児童図書館の歴史をたどる旅

 フランスの児童図書館の歴史をたどる旅に出発しましょう。所要時間は3時間程度です。

 まずは、たのしいひととき図書館をめざしましょう。いわゆるカルチェ・ラタンの一角にあります。地下鉄の駅は4号線のサンミッシェル駅、RER・C線のサンミッシェル・ノートルダム駅、10号線のクリュニー・ラ・ソルボンヌ駅が便利です。クリュニー・ラ・ソルボンヌ駅の近くには国立中世美術館があります。日本でも大評判だった一角獣と貴婦人のタペストリーが展示されています。これも是非、お見逃しなく。
 たのしいひととき図書館は、サンミッシェル大通りから小さな路地に入ると見えてきます。サン・セヴラン教会の近くにあります。このあたりにはエスニック料理のお店が一杯あり、値段が手ごろなムニュ(定食)もあり、旅人にとってはありがたい場所です。
 1924年にアメリカの慈善団体よって設立された児童図書館です。現在は児童書専門のパリ市の図書館です。
 ここにはアルメニア移民の家族に生まれた歌手・俳優のシャルル・アズナブールも幼い日々に通ったというエピソードがあるそうです。

 さて、サンミッシェル駅から地下鉄4号線でモンパルナス・ビヤンヴニュ駅へ行き、12号線に乗り換えて、終点のメリ・ディシ駅か、一つ手前のコランタン・スルトン駅で降りて、クラマール・ジョルジュ・ポンピドー行きの189番のバスに乗ってください。降りるバス停はアンテールコミュナル墓地です。ここからすぐのところに、小さい丸い図書館があります。かつての本のよろこび図書館です。
 1965年に、たのしいひととき図書館の影響を受けてつくられた図書館で、当時、クラマール一帯は困窮した家族が多く住んでいて、子どもの生活が荒れていたそうです。その子どもたちの気持ちを慰めるために図書館のサービスが展開しました。
 この建物、円筒形の部分が組み合わさった斬新な設計です。建築家のル・コルビジェの流れをくむ建築家たちが設計したもので、この建物自体が世界遺産級の価値があります。しかしながら、2006年に安全性の問題が指摘されて閉鎖されました。関係者の努力で2007年に小さい丸い図書館として開館しました。
 今でも、さまざまな児童サービスが試みられています。1970年代から、ここの図書館の職員の一部が中心となって、小学校の学校図書館の研究を行って、現在のBCD(幼稚園、小学校の図書館)の呼称が生まれました。
 クラマールのあたりはパリとは全然違う雰囲気です。フランスの閑静な住宅地って感じです。自然が残されて、墓地があります。

 小さい丸い図書館のほかに700メートルくらい離れたところに、クラマール市のメディアテーク・フランソワ・ミッテランがあります。10年くらい前、訪れたときは無かったようなので最近建てられたのでしょう。ここも訪ねみたい図書館です。行き方は小さい丸い図書館の職員の人に尋ねておきましょう。

 それでは、また次のコースを考えておきます。

23:09:07 | falcon | comments(0) | TrackBacks