December 23, 2012

ミケランジェロとともに飛んでコンスタンティノープル!



 を読んでいます。

 あのルネサンスの巨匠、若きミケランジェロがコンスタンティノープル(後のイスタンブール)を、スルタン(オスマントルコの統治者)の招きで、金角湾にかける橋の設計をするために訪れます。

 イスタンブールは20年前、トルコ航空でチュニジアに行くとき、行きのトランジットで2泊、帰りのトランジットで2泊しました。アヤ・ソフィア寺院、ブルーモスク、スレイマニエ・モスクなどの壮麗な建築を思い出します。
 その思い出をなぞるように、ミケランジェロと町を歩いているような錯覚に陥ります。イスタンブールを一度も訪れたことのない人でも、その魅力を堪能できます。

 この本を買うきっかけは、帯に(フランスの)「高校生が選ぶゴンクール賞受賞」とあったことと、書店で手にしたとき、たまたま開いたページに「図書館」の3文字が目を掠めたからです。

 図書館の描写が何箇所かありますが、その中でもトルコのスルタンが創らせた図書館を描いた場面は短くも、極めて美しい。官能の溜息が出ます。何度も読み返しても、その真実を味わいつくせない流麗な文章です。

 ミケランジェロとコンスタンティノープルという取り合わせだけでも壮大で眩惑を感じるのに、図書館の描写の豊潤なこと、フランスの高校生ならずとも、感銘を受けます。

 年末の読書に一押しです。

02:32:14 | falcon | comments(0) | TrackBacks