July 10, 2010

授業評価って、本当に必要なのですか

 大学では前期の講義が終わりに近づき、授業評価アンケートが行われている。Falconもしぶしぶ実施している。正直言って、授業評価の実施に納得していない、率直に言って、早く廃止してほしい。そんなに悪い評価は無いのだけれども、数名、ぞーっとするような罵詈雑言が書き込まれる。おそらくは、講義中、教科書が無いことを注意されたとか、居眠りしていたら起こされたとか、講義とは何ら関係ないこと(家族のこと、彼氏・彼女のこと)で不満を持っているとか、での八当たりにすぎないのだけれども、講師としては迷惑この上ない。授業が1分伸びただけで、罪人扱いの悪態が書き込まれる。
 いやー、はや、もはや、あまりの惨状の連続で、減感作効果が発揮されて、尋常な感覚は麻痺してしまい、何を書きこまれても、動じなくなってしまった。仮に「人格破綻者」とアンケート用紙に書き込まれても、あの有名な女優さんのセリフじゃないけれど、「別に」としか感じられなくなってしまった。「お前らみたいな人格破綻者に、評価されることもない」と腹をくくっている。

 なので、学生たちが書き込むことに一喜一憂するほど純情でなくなったけれど、そもそも授業評価って必要なのですかと、改めて問いたい。

 Falconの職場、つまりは大学なんだけれども、授業評価アンケートの実施率を教授会で配ってくれる。まるで、実施していない教員はダメ教員と言わんばかりの嫌みを実施委員長からたっぷり聞かされて、「大学の評価に関わりますから実施してください」と説教のような呼びかけを受ける。
 問題は実施率ではない。講義がどのくらい改善されたかが重要な事柄なはずだ。もう授業アンケートは数年やっているけれども、講義の改善率が伝えられたことは無い。
 実施委員長の先生を問い詰めたところで、「法律で大学が評価を受けることになっています。そのときに授業アンケートを実施していることが重要なんです」と、役人、あるいは仕分けでうろたえた独立行政法人の職員のような答弁が返ってくることは目に見えている。
 本当に講義が改善されているならば、授業評価アンケートを実施するのもやぶさかではないし、これからも続けるべきだと思う。しかしながら、講義の改善率が良くないならば、費用対効果を考えて即刻廃止にしてもよいと思う。なにしろアンケート用紙が分厚く、しかもOCRになっていて、書き込みがあれば職員の人が丁寧に、それもわざわざ書き取って、集計結果として教員に伝えてくれる。その費用と時間と労力は相当なものになると思う。そのうえ、大学基準協会などの評価機関に支払う金額もかなりの額に上るはずだ。

 気になるのは、大学を評価する機関、大学基準協会などの数機関は、いわゆる文部科学省官僚の天下り団体になっていないかである。少なくとも、大学教授を退職した人が「天下っている」ことは間違いない。
 入学定員を割って、閉学の危機にさらされている大学が多い中、こうした評価機関がパラサイト化しているとしたら、重大な問題だ。相撲協会にたかる暴力団よりも、様になっているだけに、性質(たち)が悪い。

21:33:42 | falcon | comments(0) | TrackBacks