June 06, 2010

『ハングルの誕生』と"Kimjongilia"

 Falconはいつも並行して何冊かの本を読みます。『印象派の誕生:マネとモネ』(中公新書)も読んでいますが、数日前からハマっているのが『ハングルの誕生』(平凡社新書)です。

 『ハングルの誕生』では、ソシュールの言語学など、やや難しいテーマが出てきますが、ハングルの成り立ちがよくわかります。昔、大学院時代に韓国の留学生の人に韓国語を教わりました。日本語と非常に文法が似ていて、漢字をもとにした言葉はほとんど同じなので、ハングルの文字と発音を身につければ、日本人には一番学びやすい言語だと思います。言語学やハングルにまったく興味のない人でも読みやすい内容なので、是非、お勧めします。角筆の話も興味深かったです。角筆のことは大学図書館職員時代に研修で学んだことがあり、なつかしく思いました。

 さて、4月から金曜日の深夜に放映されている『松嶋×町山 未公開映画を観るtv』では、2週にわたって、北朝鮮の実情を脱北者たちが語るドキュメンタリー映画"Kimjonglia"が取り上げられました。
 北朝鮮のことは頻繁にニュースになるので、こんなことだろうなあという予感はありましたが、脱北者の生々しい証言を聞いていると、どうしてこんな国が存在しているのかと義憤に駆られます。
 最後、町山智浩さんが北朝鮮で政権が代わる事態になったらばという2つのシナリオを語っていました。政権が代わって、国を立て直そうという機運が高まれば良い方向へ向かいますが、国が崩壊して、韓国・中国・日本などに北朝鮮の人が難民として流失したらばという最悪のシナリオになった場合のことを町山さんが語ったとき、底なしの恐怖感が漂いました。
 この番組、TOKYO MXでしか見られないというのもとても残念です。NHKの特集番組や教養番組では得られない貴重で、重要な内容がてんこ盛りです。再放送してもらいたいテーマの回もあります。

 『ハングルの誕生』を読みながら、北朝鮮の実情に思いを馳せました。

23:33:27 | falcon | comments(0) | TrackBacks