April 29, 2010

御質問に答えて

 学校・学校図書館の著作権に関しては、次の文献が参考になると思います。

・『学校図書館の著作権問題Q&A』 日本図書館協会著作権委員会 2006
・『必携!教師のための学校著作権マニュアル』 清水康敬監修 中村司[ほか]編著 教育出版 2006
・『先生のための著作権入門の入門』 尾崎茂編著 学事出版 2006
・『ガイドブック教育現場の著作権』 本橋光一郎監修 小川昌宏,下田俊夫著 法学書院 2006
・『図書館サービスと著作権』 改訂第3版 日本図書館協会著作権委員会 2007
・『知的財産権の知識』 寒河江孝允著 第2版 日本経済新聞社 2007(日経文庫;893)

 著作権法は頻繁に改正されていますので、実は上記の文献も古くなっています。上記の文献で基礎的な理解を深めたら、信頼のおけるインターネットの情報と、知的財産権法令集、判例集などを調査して、最新の情報を集めて、理解を深める必要があります。


22:24:45 | falcon | comments(1) | TrackBacks

専門家と非専門家を隔てる深い河

 4月28日のTBS『NEWS23』で、東京学芸大学で行われた校長塾(?)という研修活動について特集されていました。全国から、意欲のある校長、副校長、教頭が40名くらい(?)集まり、泊りがけの研修が行われたようです。文部科学副大臣の鈴木寛氏、民間出身の校長として注目を集めた杉並区立和田中学校・元校長の藤原和博氏、児童文学研究家の赤木かん子氏が校長先生たちを相手に、学校教育の問題点を次々に取り上げていました。また、演出家の平田オリザ氏がファシリテイトするワークショップで楽しそうに体を動かす校長先生たちの姿を垣間見ました。

 たしかに、硬直化した学校制度を打ち壊して、新たな視点を得るという試みとしては評価したいと思います。元・民間校長の藤原氏は、NHK『週刊子どもニュース』を超えるような社会科の授業ができるかと校長先生たちに問いかけ、それを実現するためには学校の先生以外の人を取り込み、授業を活性化する必要があると訴えていました。

 赤木かん子さんの学校図書館への独自の視点を全面的に否定するつもりはありません。学校図書館について十分な知識を持った校長先生だったら、「かん子さんの考えも興味深いよね」と一歩引いて考えられるでしょう。
 しかしながら、何でもかんでも、「非専門家の考えが客観的だから、優れた考えだ」と思いこまれても困ります。その点では、藤原氏の異様なカリスマ性に危険性を感じます。学校図書館に関しては専門家がいるわけですから、その専門家が解説したうえで、非専門家が意見を述べるべきだと思います。
 本当に困ったことに、公立図書館に関しても、学校図書館に関しても、専門家を蔑(ないがし)ろにして、「熱心に勉強をしている」取り巻きが目立っています。

 やはり、専門家は立ち上がり、信念を持って、正しい道へ導いていかなければなりません。

22:18:59 | falcon | comments(0) | TrackBacks