April 27, 2010

図書館用語の混乱

 書き込みの質問に、図書館で用いている言葉がさまざまあり、理解しにくいというものがありました。
 割と簡単な言葉でも、混乱をきたしています。

 分類記号と言いますか、それとも分類番号と言いますか。
 正確には分類記号です。たとえば、913.6です。日本十進分類法では、日本文学の物語・小説で、明治以降の作品です。読むときには、ク(またはキュウ)・イチ・サン・テン・ロクと読みます。キュウヒャクジュウサンテンロクと読むのは間違いです。数値ではなく、記号として数字を使っているからです。
 ある学会で、実践を発表した人が「分類番号」と言っていたので、Falconが「分類記号というのが正しいと思いますが」と訂正を求めたのですが、高齢の偉い先生が「英語でCall number(請求記号)というのだから、分類番号でも良いんじゃないか」と言って、Falconの質問を台無しにしてくれました。それに、学会で小うるさいオバサンが頷いたので、ムカついたの、なんの!、まっ、そんな感情的なことはどうでもいいことですが、英語でもデューイの十進分類法が数字を使うからnumberというのであって、記号としての意味合いに違いはありません。

 排列と書きますか、配列と書きますか。
 正統は排列です。日本目録規則では排列を用いています。
 排を分解すると、手へんと非になります。非は扉を表し、手で扉を「押し開ける」というのが元々の意味です。そこから「押し出す」という意味が生まれて、排出、排気、排泄という熟語が生まれました。さらに「押しのけて、並べる」という意味が生まれて、排列とは「並び」を表します。しかしながら、排という字はやや難しい字で、しかも排気ガス、排泄と汚いものを出すイメージがあるので、数学、情報工学で用いる配列が用いられて、好ましく思われています。全国学校図書館協議会では、配列にこだわっています。日本図書館協会への対抗意識からでしょうか?

 図書館に関係のない人には、どうでもいいことですが、専門用語は専門用語です。正しい意味を認識して、専門家同士では使うべきですね。
 最近、図書館に興味を持つ素人が業界を蹂躙しているので、本当に困ります。特に学校図書館は、Open-mindedなひとが多く、滅茶苦茶な用語が入り込んできて、どうしようもありません。

 まあ、用語の使い方程度のものなら問題はありませんが、著作権についての誤解は本当にどうしようもありません。

01:28:12 | falcon | comments(1) | TrackBacks