April 14, 2010

移動図書館あれこれ

 普通、移動図書館といえば、中古のバス、ライトバンを改造した自動車の図書館を思い浮かべるが、ノルウェーなどフィヨルドの深い入り江がある地域では、船の移動図書館が活躍している。

 実は、日本にも船の移動図書館があった。

 中島隆広 「図書館船」を知っていますか? (とびだせ図書館!--移動図書館のいまむかし<特集>) みんなの図書館 (通号 215) [1995.03] p26〜33

 上記の文献に詳しく掲載されているので、参照いただきたい。

 瀬戸内海に面している広島県と、離島の多い長崎県に船の移動図書館があった。

 移動図書館は都市部ではあまり見られなくなった。
 都市部では移動図書館を利用する人が少なく、主に老人ホーム、幼稚園、保育園、学校、病院などをステーション(停車場)にして巡回しているところが多い。

 沖縄県立図書館八重山分館の存続をめぐって、ここ数年、論議が続いている。Falconが沖縄にいたころも、建物の老朽化が進んでいたので、かなり苦しい状況になっていると思う。石垣島にあり、同じ島内には石垣市立図書館がある。石垣市民の多くは石垣市立図書館へ行くだろうけど、周辺の島々からなる竹富町にとっては八重山分館は重要な役割を果たしている。石垣島からフェリーで35分の西表島は竹富町なので、学校図書館への団体貸出は八重山分館が行っている。フェリーを使って、学校司書が運んでいる。
 沖縄県にこそ、船の移動図書館が必要である。Falconが沖縄にいた時も、県内の図書館関係者に船の移動図書館が必要と訴えたけれども、反応は冷ややかだった。というよりも、成す術が無かったのだろう。
 一応、西表島には図書館とは言えないが読書施設がある。そのほか、今はどうなっているか、知らないが、西表島には子どものための文庫もある。移動図書館とは関係ないが、こうした文庫に、心無い観光客が居座って荒らしてゆくという話を聞いている。本当に残念な話だ。
 かつて、ある人の紹介で西表島の船浮へ行ったことがある。ここはイリオモテヤマネコが最初に発見された場所に近く、あまり観光客が行かない西表島の秘境であろう。かつての炭鉱の跡も残り、サンゴ礁は手つかずで、実に美しい。船浮へは自動車道が無いので、岬を巡る船で行くしか方法ない。ここには地元の小学校の校長先生を退職した人が文庫を開設している。夏には、大学生が泊ることもあるらしい。勿論、管理者の了解を得てのことだけれども。

 普天間基地移転の問題は、何らかの形で決着がつくであろう。

 しかしながら、沖縄に日本とアメリカは計り知れない負担を強いてきた。その責任は重い。それだからこそ、沖縄の人たちに役に立つ施設を建設し、さまざまな形で援助するべきだと思う。
 正直言って、今度の普天間基地問題で、オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官の態度に幻滅を感じている。
 アメリカの民主党政権は軍縮を進めることは解っていたが、軍縮をするということはアメリカは自国の軍隊へ金を出費しなくなるので、結局、日本に負担を押し付ける、もっとはっきり言えば、無心をしてくる。実にケチな話なのだ。

 「でぇ、移動図書館の話はどうなったの?」

 話がまた、逸れてしまいました。恐れ入ります。

01:30:47 | falcon | comments(3) | TrackBacks