March 19, 2009
図書館経営破綻なし
思いついたタイトルが、どこかで見たような、聞き覚えのある感じがした。そうだ!レマルクの『西部戦線異状なし』だ。近年、民間活力の導入ということで、PFI、指定管理者制度などの手法が取り入れられている。
民間企業だったら、経営が破綻すれば、当然、倒産する。
公立図書館は、ある意味「親方、日の丸」(正確には、「親方、地方公共団体」だけど)みたいなものだから、何があっても経営は破綻しない。親方である地方公共団体が財政難に陥った時には閉鎖もありうる。建物など施設の老朽化で、閉鎖することもありうる。けれども、事実上、公立図書館自体の経営が破綻することはない。同じことが学校図書館にも当てはまる。内情は破綻しきっている、もっと言えば、これ以上破綻できない状態なのに、学校図書館は立派に存在していることさえある。学校図書館では資料を物品管理するための原簿を作ることになっているが、それさえもない学校がある。企業だったら、想像外のありえなさだ。
ここで何が言いたいのかと言えば、図書館経営はNo Risk, Low Returnであることである。リスクは全く無いとは言えないが、少なくとも資料費がなくなっても破綻はしない。それまでの蔵書を活用すれば、事足りる。利用者が重大な事故に巻き込まれる可能性は、スポーツ事業に比べれば少ない。
リスクはないが、実入りも少ない。これじゃ、独立採算することは、ほとんどできないし、官がしても、民がしても、見違えるほど改善する可能性はないとは言わないが、まずもって少ないといえる。リスクがないことは良いことだが、緊張感に欠ける経営では改善点を見出しにくい。
結論を急ぐことはないが、官としてやるべきことは、まだまだあると思う。図書館の運営費が税金で賄われていることを、肝に銘じておきたい。
13:41:56 |
falcon |
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