April 03, 2008
新学期!開け、学校図書館!
いよいよ、新学期。東京地方はソメイヨシノが満開です。とは言え、花冷えで、風邪ひきそうです。
さて、学校図書館ですが、12学級以上の学校に司書教諭が配置されていても、小学校はクラス担任、中学校・高等学校は教科担任をしているので、ほとんど学校図書館の仕事ができません。そのため、学校司書などの呼称がある職員がいない学校では、学校図書館、つまりは図書室を閉めているところが少なくありません。小学校は、学校司書がいなくても始業時から放課後まで開いている学校図書館が少なくありませんが、中学校は学校図書館でタバコを吸う生徒が現れたり、トラブルが多いので、せいぜい昼休みと放課後に開けているところが多いと思います。
規模の大きな学校では、司書教諭のほかに、図書主任と図書係の先生が数名います。こうした先生たちが協力しあって、始業時から放課後まで、学校図書館を開けてください。校長先生などの管理職の支援を受けて、授業の合間にできるかぎり学校図書館を開けるようにしましょう。学校図書館の教員コーナーに教員が必要とする資料を置いて、教材研究・開発ができると良いと思います。そのためには、職員室にある教材や教育に関する資料を学校図書館へ移して置きましょう。
それから、地方交付税措置で2007年度から5年間、総額1000億円、単年度(つまり、1年ごと)は200億円が義務教育諸学校の学校図書館図書整備費に割り当てられています。現在、公立の学校図書館の蔵書が十分ではありません。平成5年3月29日に通達された「学校図書館図書標準」に蔵書が達していない学校(公立の義務教育諸学校)が、少なくとも60%あります。また、「学校図書館図書標準」に蔵書数が達成していても、40、30年前に刊行された百科事典を使っている学校図書館があります。北ベトナム・南ベトナム、西パキスタン・東パキスタン(←バングラデシュ)、ソビエト社会主義連邦、チェコスロバキア、西ドイツ・東ドイツが掲載されている地理の図書を使っている学校図書館があります。冥王星が惑星のままなのは仕方無いけど、そろそろ、新しい宇宙の本が欲しいですね。
地方交付税(交付金)措置は、使途が決められていないので、学校図書館の図書購入費以外に使われていることがあります。また、地方自治体(地方公共団体)も、教育委員会も、学校図書館の図書購入費として割り当てられた地方交付税(交付金)があることを、学校現場だけでなく、有権者である地域住民にも、ある調査によれば、半数近くで公表していません。
誤解が無いようにしてもらいたいのですが、地方自治体が地方交付税(交付金)を不正に流用していると言っているのではありません。地方財政が逼迫している今日、福祉などの目的に当てている地域があります。
では、毎年200億円も交付されている地方交付税措置を少しでも学校図書館の蔵書の購入費に充てるには、どうしたらよいでしょうか!?
*保護者が、地方交付税の使い道について、学校や役所、
教育委員会へ問い合わせても良いのか?
問い合わせても良いと思います。有権者として、納税者として
知る権利がありますし、保護者として、学校の運営に関わるべきです。
先生たちの迷惑になることを言い募るよりも、「建設的」で、
前向きな姿勢だと思います。
*国立大学法人の付属校、私立学校、また、高等学校の学校図書館は
もらえないのか?
あくまでも、公立の義務教育諸学校の学校図書館の図書購入費です。
以下の学校が対象です。
・公立の小学校
・公立の中学校
・特殊支援学校(盲学校、聾学校、養護学校)の
小学部・中学部
*公共図書館を充実させれば、十分だと思うけど……
たしかに、公共図書館を充実させることも大切です。
ですが、学校図書館は学校教育に必要な資料を収集して、
児童・生徒、教員に提供します。公共図書館とは一味違う
サービスを提供します。
*地方交付税措置を受けているかを確認する!
地方交付税措置は、東京と比べて、十分な公的サービスを
受けられない地方自治体(地方公共団体)が対象です。
地方交付税を受けているのか、確認しましょう。
地方交付税措置を受けていない東京の公立小学校、中学校でも、
「図書標準」に達していない学校が多くありますけど......
子供たちの学力を向上させるためには、学校図書館の資料の
充実が欠かせません。学校に、教育委員会に、地域の議員さんに
働きかけましょう。
01:13:18 |
falcon |
comments(0) |
TrackBacks