March 02, 2008

海辺のカフカのジョウカン

 『海辺のカフカ』上巻を読み終えました。
 まだ読み終えたばかりで、自分の中で整理できません。あまりに色々なことが起こる小説なので、読者は翻弄させられます。

 舞台となっている東京の中野区野方は、祖父母が住んでいた鷺宮に近く、大学時代の友人が住んでいたところで、狭い路地に家が密集している光景が思い浮かび、ナカタさんが猫を探し回る様子がよく理解できました。

 主人公の少年が家出して辿り着く、もう1つの舞台・高松は、全国図書館大会で行ったことがあるので、懐かしく思い出しました。源平合戦の古戦場・屋島が近く、鬼が島伝説で知られる女木島も近い。勿論、金毘羅さんも近い。

 ナカタさんがお世話になるトラックの運転手のひとりが、物と物の関係性をナカタさんに語る場面は、妙に臨場感がありました。

 主人公は15歳の少年と、老人のナカタさんの二人。

 不幸な境遇でも、人への感謝の心を忘れないナカタさんに胸打たれます。

 Falconも高校生の頃、家出しました。京都で補導されて、警察の留置所(ブタ箱)に入ったのですが、主人公の少年のように図書館に居候すればよかったと思います。「大島さん」みたいな包容力のある司書がいてくれたらね。

 源氏物語と雨月物語の話は、面白いですね。

 下巻を読むのが怖いような、読みたくてたまらないような、複雑な気持ちです。

19:15:18 | falcon | comments(0) | TrackBacks