November 17, 2008

『司書と・・・』は・・・のアナロジーか

 『司書とハサミと短い鉛筆』第1巻を読んでいた。
 前にも書き込みしたが、エッチで釣らなくても、十分面白いのだけど。
 第1巻の最後に仕掛け絵本から飛び出したフィフが文人の学校に現われて、教室で和井先生から、エジプトの地中海に面した「イスカンダリーヤ」という町からやってきた留学生として紹介される。
 イスカンダリーヤとは、アラビア語でアレクサンドリア(アレキサンドリア)のことで、アレクサンダー大王が若くして世を去った後、大帝国が分裂して、エジプトに成立したプトレマイオス王朝が王都とした町で、今でも風光明媚な観光都市だそうだ。
 この町には古代地中海世界最大とも言われる図書館があった。この図書館はもともと学芸の女神ムーサたちに捧げられた神殿ムセイオンの附属施設で、最盛期には70万巻のパピルス文書があったと伝えられる。また、絶世の美女として称えられたクレオパトラ7世の時代、内乱が起きて、彼女に加勢したローマの武将カエサルの軍隊が放った火のついた矢が当たり、炎上して無くなったと言われている。しかしながら、これらは後世の叙述から判ることで、遺跡も残っていない今日、真実は全くわからない。
 最近、ムバラク政権とユネスコにより、世界最大級となる新アレクサンドリア図書館が建設されたばかりだ。
 ということは、フィフは由緒正しい図書館の町からやってきたことになる(あくまでも和井先生の紹介の話では、ということで、フィフは仕掛け絵本から飛び出した少女だけど)。意味深長である。

 『宇宙戦艦ヤマト』のイスカンダルも、アレクサンドリアと関係があるのだろうか?

 ここから先はネタバレになるので、未読の人は読んではならぬ。 [more...]

23:50:00 | falcon | comments(0) | TrackBacks