October 06, 2013

超〜驚き!うまみ成分の発見者・池田菊苗の意外な一面



 今、この本、読んでいます。
 昆布からうまみ成分であるグルタミン酸ナトリウムを発見して、後に「味の素」の創業に関わった池田菊苗博士の伝記に触れている個所を読んで、驚きました。漱石ファンのFalconは、たしかにロンドンに留学していた夏目漱石と親交があったことを、なんとなく知っていましたが、池田博士が帰国後、國學院大學で坪内逍遥先生のあとを受けて、英文学・シェイクスピアの講義をしていたこともあるそうです。化学の分野での偉大な功績だけでなく、英文学にも造詣が深かったとは驚きです。夏目漱石とはシェイクスピアについて語りあうことも多かったとか。しかも国史学と国文学で有名な、あの國學院大學で英文学の講義をなさっていたとは、さらなる驚きです。
 昨年亡くなった作家の丸谷才一さんも、國學院大學で英語の講義をしていたそうです。

 この本、有機化学への「萌え〜心」いっぱいの本です。
 麻薬・覚せい剤からタバコ、でんぷん・砂糖まで、身近な炭素化合物についてのエピソードがあふれています。佐藤健太郎氏監修で「萌えて覚える有機化学の基本」って、PHPで出版してくれないかなあ。できれば、今度は男子キャラでね。たとえば、ブドウ糖はエネルギー源だから筋肉モリモリのビルダーとかさ。

 「麻薬・覚せい剤をキャラにするのは危険すぎる。教育上、よろしくないと判断される」

 うん、そうだね。ちょっと無理かも。

 「それにさ、男子キャラで有機化学なんて、一部の人しか喜ばないよ」

 そうですね、企画としては無理ですね。

 それはともかく、とても面白い本です。

 気になった個所があります。
 113ページ後ろから3行目、「一八四八年の三月革命」とありますが、フランスでのことなら「二月革命」と思います。ドイツなどでは三月革命が起きましたけど。
 125ページ後ろから7行目、「首都洛陽」とありますが、中国王朝・唐の首都は長安です。洛陽は、それでも首都長安に匹敵するくらい重要な都市であったことは間違いありません。
 もしかすると、その後の刷りで訂正されたかもしれません。

 初刷は、ちょっと校正が甘かったかもね。

 ツッコミどころが多いのはともかく、繰り返し言いますが、面白い本です。

15:49:32 | falcon | comments(0) | TrackBacks