November 19, 2007

改札を飛び越える若者たち、以前のパリの地下鉄の駅にて

 図書館の入退館システムについて書いてから、妙なことを思い出した。

 昔、Falconがフランスのパリに初めて行った頃、メトロ(地下鉄)の改札を、黒人の若者がまるでハードルのように飛び越えたので、腰が抜けるほど驚いた。掛け声よろしく、軽く拍手を通路に響かせると、音も立てずに軽がると改札を飛び越えた。鮮やか、お見事と呟くしかなかった。余りの瞬間で、悪事を責める気にもならなかった。
 今はパリのメトロの駅では、金属の衝立、あるいは厚い頑丈なガラスの衝立があり、切符を機械に差し込むと、自動的に開くか、手で押してで開くようになっているので、改札を飛び越えるなどという無謀なことはできない。

 日本人は、世界の民族(民族という用語は適切でないかもしれないが)の中で、比較的真面目で品位のある民族である。とはいえ、路上に平気でゴミを捨てる女子高生、おじさん、おばさんは見かけるし、電車やバスの中でのべつまくなしに大声でしゃべりつづける若者、オジサン、オバサンは日常茶飯事になったけれども、改札を飛び越えるなどという非常識は無い。ただ、最近、気になっているのが、改札で切符に不正があって、なんて言うのかな、つっかえ板(誰か、名称を教えてくれ!ツッコミでもいいから)が通せんぼしているのに、突き抜けてゆく人を見かける。
 最近、イギリスには行ってないので、よく解らないけど、フランス人は、日本人が羨むほど、お上品ではない。正確に言えば、国際都市パリは、文化的背景の異なるいろいろな民族がいて、社会への不平・不満が溜まっているから、柄の悪い、品の悪い輩がいても、それなりの事情があるのだろうと察する。

 で、図書館の話に戻ると、まさか図書館の入退館システムを飛び越える輩は、日本にはいないだろうし、フランスにもいないよねと思った。飛び越えたところで、図書館の利用は無料なのだから、怪我するほど無茶をするバカは間違ってもいないと思う。
 えっ、図書館を使う人は運動が苦手だって!、それは偏見です。「(学校)図書館で本を読んでいる子どもは、ジワーッとして気持ち悪い」と発言した江本孟紀・元議員と同じ発想でしょ。

 話はコロッと変わるけど、パリの地下鉄をメトロというけど、メトロという言葉自体に地下鉄の意味は無い。メトロはメトロポリタン、つまり「母なる町」、首都のことである。メトロが「母」で、ポリタンはポリスの派生語。フランスの首都パリの交通網だからである。パリのメトロは地上も走っている。バルベス・ロシュシュアール駅周辺やバスティーユ駅周辺では、地上を走っている。だから、「東京メトロ」は問題ないが、京都、大阪、札幌、福岡など地方都市の地下鉄は、メトロを名乗る理由は無い。ちなみにチュニジアの首都チュニスの路面電車は、メトロなのである。

Posted by falcon at 02:20:44 | from category: Main | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks