December 10, 2005

絶学無憂

最近,角川ソフィア文庫の
ビギナーズクラッシクス中国の古典『論語』を
読んでいました。
孔子先生がおっしゃること,ご尤も,と眉間にしわ寄せて,
学びなさい!,人には思いやりを持ちなさい!
と,お言葉を受け止めてきました。
著者の加地伸行氏は,孔子と弟子たちのおおらかな対話も
取り上げて,親しみやすい内容にしています。

でも,学びなさい!人には思いやりを持ちなさい!と
言われて,真っ正直に生きようとしても,
つまらないことで誤解されて,面倒なことに巻き込まれることも
少なくありません。
たとえば,電車の中で,窓を眺める子どもが靴を脱がずに,
座っているのを,注意すれば,その親から,逆ギレされる。
Falconは,別件で注意して,「人格破綻」と罵られたこともあります。
また,極端な例ですが,見ようと思っていないのに、
ミニスカートの女子高生が
視界に入ってくる時の不愉快さに,苛立ちます。

『論語』の孔子の言葉は大脳の前頭葉にガンガン響きますが,
同じシリーズの『老子・荘子』の言葉は,大脳旧皮質に
心地よく沁みます。
「怨みに報いるに徳を以てす」
怨みのある人へは,恩恵を施しなさい。なるほど。
でも,「徳」を理解できない人に,恩恵を施しても無駄と思います。
「恩恵ですよ」とわざとらしく施すのも,老子の思想に反する。
さりげなく施して,ダメで元々と思えば良いことです。
老子の言葉は深遠です。
「学びを絶てば,憂いなし」
学べば学ぶほど,悩ましいことが増える。
ならば,学ぶのを止めなさい。そのとおりですね。
でも,ちょっと待てよ。
これは,Falconのような怠惰な人間の言い訳ではない。
学問を探求して,究めた人の言葉です。
絶学無職,絶学無食のFalconには,程遠い話。



Posted by falcon at 14:32:11 | from category: Main | TrackBacks
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