October 29, 2005

ゴキブリを読む

 もうすぐハローウィンですね。
ハロウィーンの夜,不気味に闇を照らすジャック・オー・ランタン。
悪魔のような顔にくりぬいたかぼちゃのことです。

 自然界には不思議なこともあるもので,ドクロゴキブリの胸部の
背の模様が,ハローウィンのかぼちゃのようなのです。
意外に美しいゴキブリです。
ゴキブリ秘宝館のサイトで写真が見られますよ。

 以前,沖縄に住んでいました。
ある夜,「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイヤ」を灯りを消して見ていました。すると,首筋に何かが。ちょうどトム・クルーズが牙をむいたときです。ギャーア,ワモンゴキブリでした。
 沖縄には4cmにもなるワモンゴキブリがいます。関東一円にしか住んだことのない私は,最初,ゴキブリだと思いませんでした。関東にいるのはクロゴキブリとチャバネゴキブリくらいです。
 ワモンゴキブリはよく空を飛んでいます。電柱に蚊柱が立っていると思ったら,ゴキブリの群れなんて当たり前。

 日本には50種類以上のゴキブリがいますが,害虫と思われているのは,クロゴキブリ,ヤマトゴキブリ,チャバネゴキブリ,トビイロゴキブリ,ワモンゴキブリの5種類です。つまり,ほとんどが人間とは関わりなく,森林や草原で朽木や枯葉などを食べて暮しています。しかも,ほとんどの種類が南西諸島(奄美・沖縄),小笠原にいます。中には絶滅危惧種までいて,保護しなければなりません。

 今年,素敵なゴキブリの本が刊行されました。
 鈴木知之著「ゴキブリだもん:美しきゴキブリの世界」(幻冬社コミックス)は,ゴキブリの図鑑です。ゴキブリはこんなに魅力的だったとは。見直します。
 盛口満著「わっ、ゴキブリだ!」(どうぶつ社)は,沖縄在住の著者がゴキブリ取りに熱中するエピソードをつづる読み物。

 安富和男著「ゴキブリ3億年のひみつ:台所にいる「生きた化石」」(講談社ブルーバックス)のp.112には,ワモンゴキブリの臭いは,体から分泌するパラ・クレゾールとパラ・エチルフェノールで,消毒剤の成分と書いてあります。彼らは不潔なところにいるので,微生物から身を守っているのです。意外に清潔なんですね。ちなみにゴキブリが原因で病気が流行ったことがないそうです。人間が不潔で傲慢なんです。

Posted by falcon at 02:11:31 | from category: Main | TrackBacks
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